2010年07月13日

アバドのメンデルスゾーン:交響曲全集


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アバドが1984年に取り組んだ全集で、5曲の交響曲のほか、序曲《フィンガルの洞窟》など7つの管弦楽曲が、4枚のディスクに収められている。

演奏は、アバドの成熟ぶりと円熟した棒さばきが冴え、全体にすっきりとまとまっており、ことに弦楽器の美しさは筆舌につくし難い。

交響曲はことごとく秀演で、「讃歌」の声楽部には若干の物足りなさもあるが、管弦楽の雄弁な表現力のため、さしたる不満を感じさせない。

何よりも感覚的なみずみずしさと溌剌とした生命力の放射が、5曲を実に魅力的なものとしている。

「スコットランド」はアバドにとって2度目の録音で、前回の録音は、フレッシュでみずみずしい表現だったが、ここでは、楽曲のもつ構成的な美しさを、より明瞭にうちだしながら、表情豊かな演奏を行っている。

端正な造形で一貫しているが、その中にアバドのみずみずしい感性が息づいており、しなやかな旋律と溌剌としたリズムが実に純粋で新鮮な音楽美をつくりだしている。

「イタリア」はアバドのイタリア的資質とイタリア人的な趣味が、いかんなく発揮された演奏で、流麗な旋律をしなやかに歌わせながら、明るく朗らかな表現を行っている。

しかも解放感と作品の古典主義的な様式が少しの違和感もなく共存している。

アバドとロンドン響との数あるディスクの中でも傑出した出来だ。

「宗教改革」はアバドのしなやかで、やわらかな息づかいが伝わってくるような演奏で、スケールも一段と大きくなっている。

ロンドン響のきめの細やかな弦楽器群の響きも絶妙である。

管弦楽曲も優れた演奏で、アバドの自己主張が素直に示されている。

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classicalmusic at 18:34コメント(2)メンデルスゾーン | アバド 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2020年03月10日 09:52
4 趣きが大きく異なる<スコットランド>と<イタリア>で秀演を残すのは指揮者にとって困難な作業らしく, 双方ともに素晴らしい出来を残したのは確かにアバドだけでしょう。<スコットランド>にはクレンペラーの深遠な超名演がありますが, アバドが唯一それにせまる出来だと思います(逆にクレンペラーの<イタリア>は全く面白みに欠けます)。この録音でロンドン響はアバドがシェフとして残ってくれると自負していたのに, 後でベルリンに行ってしまいさぞがっかりしたことでしょう。
2. Posted by 和田   2020年03月10日 13:02
その通りですね。古い録音をたどれば『イタリア』と『宗教改革』の名演で有名なトスカニーニの『スコットランド』も残されていて、厳しくもコクのある内容ですが、如何せん録音が古く、メンデルスゾーンの交響曲全集としても今だもってアバド盤が随一の出来だと思います。
私はアバドの全盛期はロンドン響時代だと考えていて、ベルリン・フィルのポストに就いてからは不出来の演奏も続出し、興行的にも不成功でした。そのせいかわかりませんがアバドは胃癌になってしまいましたし、結局分不相応だったのではないでしょうか。
私としてはポスト・カラヤンはマゼールになってほしかったです。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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