2010年02月10日
ヴェンゲーロフ&ロストロポーヴィチのプロコフィエフ&ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲
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ヴェンゲーロフは1974年生まれのロシアのヴァイオリン奏者である。既に10代の頃から演奏活動を繰り広げているが、早くから世界の第一線で活躍してきた実績を持ち、紛れもない天才と言うべきであろう。
ヴァイオリンという楽器をただ単に上手に操るのではない。ヴァイオリンを通して彼自身の心の状態を雄弁かつ柔軟に物語ることのできる音楽家なのであり、そこで繰り広げられるドラマの真実性と詩情の無垢なる美しさに聴き手は魅了されてしまうのである。
もちろんその世界は採り上げる作品次第でいかようにも変化するが、これら4作品では真摯な演奏家としての姿勢が明確に刻印されている。
ヴェンゲーロフのヴァイオリンはただ快くは歌わない。彼のヴァイオリンは聴き手の心に放たれる弾丸であり、そこにある鋭さと求心力がヴェンゲーロフが今、なぜこの作品を採り上げるのかを自ずと語る演奏になっている。
言葉はいらない、説明も不要、音そのもの、音色そのもの、カンタービレそのものが作品の核心を解き明かしていく壮大な旅のような演奏であり、結果的にそれが聴き手と作品とを熱い絆で結びつけていくのである。
サポートするのはロストロポーヴィチ。これら2人の偉大なる作曲者を直接知る音楽家の指揮は、これまた使命感を裏付けとした深い味わいと雄弁なる説得力がある。
もちろんロストロポーヴィチは年齢的にはヴェンゲーロフの祖父のような存在だが、両者は作品にともに魅せられた一音楽家同士として向かい合っている。
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