2009年08月28日

アシュケナージのカリンニコフ:交響曲第1番


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一目惚れである。理屈も何もあったものではない。

ためらいがちのオープニングから何かゾクゾクしてくるが、一途に何かに立ち向かっていく、その真剣さに磁力にも似た力で引き寄せられてしまった。

そしてチェロによって第2主題が奏されるのだが、予想もしない美しさと大胆さに魅了されてしまうし、それがヴァイオリンによって繰り返される頃には、もう離れられなくなっている自分を確認するだけである。

40分弱の大作だが、第1楽章で聴かれる憧れに満ちた第2主題こそは聴く者をたちまち詩人にしてしまう媚薬のような名旋律であり、カリンニコフはこの旋律だけでも音楽史に残ると言いたくなるほどである。

円熟を前に35歳で他界したカリンニコフだが、残された交響曲は聴き手を永遠の夢追い人にしてしまう。

かつてはトスカニーニも指揮していたほどだが、その後しばらくなぜか忘れられた格好になってしまった。

だが2003年にヴラディーミル・アシュケナージが録音、燃え上がるような情熱と初々しい詩情をたたえた演奏で作品の真価を全開させてくれた。

以来、テレビCMにもこの曲が用いられるなど、カリンニコフ・ルネサンスにも似た状況が生まれている。

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classicalmusic at 00:00コメント(2)アシュケナージ  

コメント一覧

1. Posted by kasshini   2017年01月16日 06:52
ネーメ・ヤルヴィが気に入りました。メロディは、ラフマニノフに劣らず、歌うアレグロまであって。チャイコフスキーの弟子にして指南役、ロシアのバッハ、ブラームスと言われたセルゲイ・タネーエフのように、対位法的労作もできていて、循環主題の見事な扱いと各楽章主題のロンド・ソナタ的止揚、チャイコフスキーにドビュッシーのような、またビゼー、モーツァルトに通じるカラッとしたオーケストレーション、純正律的清澄な響きどれもいいです。療養中、死は目の前の中、それでも壊されない明るさ、爽やか、力強さ。こんなメンタリティの方ばかりなら、新ヴィーン楽派以降は存在しなかったかも。R.シュトラウスが示唆するように。2番は幾分地味ですが、2番の方が好みです。コンセルトヘボウやWPhで聴いてみたいです。
2. Posted by 和田   2017年01月17日 23:34
カリンニコフからは憂いを帯びたロシアン・ロマンが聴こえます。内なる尽きせぬ激情がついにあふれ、いてもたってもいられなくなって、もうたまらなくなって、疾走する。
世代が近いグラズノフやリャプノフと比べても、転調の多さや和声の多様さ、楽器法のうまさ(トゥッティを使いすぎない)などで、こちらのほうが明らかに優れていると思いますし、力強く感動的です。
楽曲に息づく感傷的な情景や叙情を掬いつつ、しかし潤沢な旋律美だけにほだされることなく、引き締まった音楽観を披露したアシュケナージのタクトも冴えています。
アシュケナージの郷愁にじむ望郷の響き…、私は常々「ラフマニノフを演奏するアシュケナージは大芸術家に変貌する」と述べてきましたが、彼の演奏するカリンニコフにも同様のことが言えると思います。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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