2010年02月22日

シュミット=イッセルシュテット&ウィーン・フィルのベートーヴェン:交響曲(第2番&第4番除く)


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S=イッセルシュテットのベートーヴェンは、全9曲の解釈が首尾一貫しており、その意味でひとつのスタンダードを確立した集成である。

ウィーン・フィルの優美な音色と持ち前の演奏様式に、この指揮者のドイツ的明晰さと峻烈な気質が加わり、すべて中庸の解釈を示しつつも高雅で底光りするような音楽を聴かせる。

なかでも第1,5,6,8番は傑出しており、新古典主義的ベートーヴェン演奏の規範といえる。

他の曲も毅然とした北ドイツ風の厳しさを持ち、作品そのものに語らせようとした着実な表現である。

「英雄」も高雅にして晴朗、実に格調が高い。古典交響曲としての「英雄」像が毅然としてそびえ立つ演奏だが、その均衡感の強い造形は適度の緊張感によって支えられている。

第2楽章の「葬送行進曲」も内面に深い想念をたたえた表現である。

「第5番」は作品の闘争的な一面を適度に抑えることで、古典的ソナタ形式の極限ともいえる構成美を端正に表わした名演。

同じドイツでも感興のおもむくままに指揮をするフルトヴェングラーのライヴ録音などとは対照的な位置にある。

「田園」はきわめて古典主義的で格調が高い。しかも晴朗な表現の中に北ドイツ風ともいえる厳しさと克明さがあり、単に古典的な純粋性を志向した演奏とは異なっている。

よいバランス感覚をもった安定感のある演奏で、それぞれの楽章を丹念に磨きあげ、一点のゆるぎもない、しっかりとした音楽をつくりあげている。

ウィーン・フィル特有の美しい音色も生かされており、演奏としてのまとまりの良さは特筆できよう。

「第8番」はさらに傑出しており、ウィーン・フィルの鮮明な音色と合奏美が指揮者の適切なコントロールによって実に美しく演奏されている。

S=イッセルシュテットの全ての録音の中でも特にすぐれたものだ。

「第9」も端正な構築美をもった演奏だ。

S=イッセルシュテットは古典ソナタ様式の究極ともいえる作品美を徹底しており、ある意味ではスタンダードとなり得る表現だ。

それはあらゆる面で中庸な解釈ともいえるのだが、その中庸は指揮者の非凡な音楽性と直結している。

声楽部も優秀で、よく歌っている。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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