2010年02月26日

ベイヌム&コンセルトヘボウのブラームス:交響曲第4番


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オランダの名指揮者ベイヌムは、長らくオランダの名門コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者として活躍してきたが、ステレオ録音が本格化した矢先に、しかも指揮者としてはこれからが円熟期という58歳の若さで急逝した本当に惜しまれる指揮者であった。

バッハ、ヘンデルからドビュッシー、シベリウス、バルトークからさらにはストラヴィンスキー、ブリテンに至る幅広い作品で名演を聴かせたベイヌムだが、オーソドックスなブラームスの交響曲は最も定評の高かったもので、今なお輝きを失ってはいない。

骨格がしっかりと据えられた骨のある演奏で、洒落っ気はないが、真の誠実さ、謙虚なる客観性に火がつくとどんなに凄いことが起きるかをまざまざと体験させてくれる。

ベイヌムは目立たない指揮者、どちらかといえば職人肌の指揮者だったが、終楽章に聴かせるバロック的壮麗さなど、他のどんな名指揮者も実現させ得なかった熱い興奮の世界へと誘う気迫が充満、往時の名声のほどを偲ばせる。

さらに特筆されるべきは1950年代のコンセルトヘボウ管弦楽団の優秀さであろう。

響き全体に風格があり、アンサンブルは格調高く、しかも折り目正しく、ソロには威厳があって、オーケストラそれ自体が一つの芸術品であることがよく分かってくる。

またオーケストラ・サウンドに豊かなブレンド感がありながら、各セクションそれぞれに独自の色と香りがあり、それらが混濁することなく見通しのよいアンサンブルを編み上げていくあたりも出色である。

もちろん世界最高の音響特性を誇るコンセルトヘボウでの収録だが、半世紀前の録音からもホールの優秀さが感じ取れるというのは、考えてみれば奇跡のような事件であろう。

なるほどホールも楽器だと再確認させられる。

名演奏家の数だけ名盤が存在する。だが不幸にして聴き手が出会える数は限られている。この1枚は大切だ。

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classicalmusic at 18:34コメント(6)トラックバック(0)ブラームス  

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コメント一覧

1. Posted by tsukasankk   2010年02月26日 21:04
トラックバックありがとうございます。膨大なクラシック音楽の記事ですね。また、ゆっくりと読ませてください。
ベイヌムの正統派ブラームスは、まさに王道ですね。
ベイヌムは私にとって少しばかり上の世代にあたります。コンセルトヘボウと言えば私の場合は、中学生の時買ったハイティンクが指揮するマーラーの巨人でした。廉価版で、モノラル録音のメンゲルベルクが指揮する悲愴も買った記憶があります。ボルタメント奏法が何とも古風な佇まいで印象的でした。
2. Posted by 和田   2010年02月27日 10:19
tsukasankkさん、コメントありがとうございます。
コンセルトヘボウ管弦楽団は、超個性派メンゲルベルクから職人肌で堅実なベイヌムに首席指揮者が代わっても、柔軟に対応できた素晴らしいオーケストラです。
その後ハイティンク、シャイーに伝統は引き継がれますが、高水準の演奏を維持、世界のオーケストラのなかでもベストの一つに君臨しています。
またのコメントをお待ちしております。
3. Posted by 水口 峰之   2010年02月27日 10:54
トラックバックありがとうございました。
この演奏いいですね。
とくに1楽章の凛とした感じが。

僕にはジュリーニのような
肥大した、哀しいブラームスはどうも
「勘違い」演奏に思えてしまうのです。
このベイヌムとコンセルトヘボウの演奏には、
背骨がぴんとしているような格調があって
いかにもブラームスの第4らしい
秘められた炎が感じられます。

また、おっしゃるようにホールの響きがよく録れていて、
素敵なディスクだと思います。
4. Posted by 和田   2010年02月27日 11:13
水口様、コメントありがとうございます。
そうですね。おっしゃる通り、格調、秘められた炎を感じる演奏ですね。
ブラ4はいかにも作曲者晩年の音楽と解釈されがちですが、決して遺作というわけではないし、作曲時52歳であったブラームスにはまだまだ10年以上の歳月が残されていたのです。
ベイヌムの演奏で聴くと、ブラームスの内に秘められた情熱がひしひしと伝わってきます。
まさしく燃えるような色彩で「人生の実りの交響曲」を描き尽くした名演奏と言うべきでしょう。
5. Posted by gkrsnama   2010年03月06日 08:24
いや、ベイヌムならこれぐらい出来て当然の水準。当然の正統派の熱演です。どの曲もこの水準できかせますよ。

彼はオランダではメンゲルベルク・ケンペンに並ぶ実力だといわれていたそうです。メンゲルベルク以外は早死にで残念ですが。(ケンペンも男性的なパワーを押し出していて、大好き。メンゲルベルクは山のようにコレクションしています。)

ベイヌムの遺産のなかでも、時にフルトヴェングラーやミュンシュをしのぐ超名演といわれる1番についてはどうですか。
6. Posted by 和田   2010年03月06日 09:25
本当なら、ベイヌムの代表的名演として、ブラ1のデッカ盤をとりあげたかったのですが、残念ながら、廃盤だったので、4番をとりあげたまでです。
当地ではすでにベイヌムは忘れ去られた過去の人扱いらしく、残念な事です。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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