2009年09月15日
タックウェル&マリナーのモーツァルト:ホルン協奏曲全集
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モーツァルトのホルン協奏曲のベスト・ワンといえる演奏だ。
モノーラル時代の名盤、ブレインの流れを受け継いでいるかのような演奏である。
タックウェルは渋味とコクのある音色で、心のこもったモーツァルトを奏でている。
弱音効果とレガート奏法を重視した優雅なモーツァルトである。
タックウェルのソロは手馴れていて、演奏に余裕を感じさせるし、響きも柔らかく、渋い味わいとコクが加わり、各曲とも自在に表現しながら、ニュアンス豊かな音楽をつくりあげている。
タックウェルは自在で多彩な表情を駆使して、徹底的に楽しませてくれる。
曲想の明暗濃淡は極限まで描きつくされ、フレーズを大きくとったカンタービレ、思い切ったアクセント、夕映えのような情感などを自由に表現してゆく。
柔らかい響きと落ち着いた情感が溶け合って、豊かな広がりをもたらしているのは、ヴェテランでなければ得られぬ境地だ。
特に第1番と第4番は角笛のような感じが楽しく、即興的な強弱や思い切った表情もあって、さすがに優秀な出来映えだ。
そしてタックウェルがこれだけ興にのれたのはマリナーあってこそで、モーツァルトの閃きとユーモアが十全に音化されている。
タックウェルはモーツァルトのホルン協奏曲を何度も録音しているが、全体的にはこの1971年盤が最も優れている。
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