2010年03月06日
トスカニーニ&NBC響のサン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」/フランク:交響曲
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トスカニーニは、NBC響を指揮して数え切れないほどの不滅の名演を生み出したが、サン=サーンスの交響曲第3番は、そのなかでもトスカニーニの持ち味が最大限に発揮され、特に傑出した成果を実現させることになった名演の一つと考えてよいだろう。
トスカニーニの魅力としては、明快で壮大な造型感覚やドラマティックでメリハリの効いた表現などがまず第一に指摘されるが、そうした魅力が強力にクローズ・アップされることになったこのサン=サーンスの演奏は、さらに凄まじいほどの緊迫感や桁外れの集中力の持続もが際立っている入魂の熱演であり、トスカニーニの真価を痛感させてくれる内容を示している。
密度の高い響きと強靭なリズム、鮮烈なデュナーミク、甘美といえるほどのカンタービレが総合され、かつてない厳しい音楽を生み出してゆく。
サン=サーンスが意図したであろう循環主題を中心とした劇的な構成、オルガンを加えたことによるオーケストレーションの効果が充分に発揮され、激しく訴えかけてくる。
トスカニーニの頂点をかたちづくる時期の演奏で、とかく平板に陥りやすいこの曲に最後までひきつけておくのは、やはりマエストロの偉大な統率力によるものである。
作品の評価すら変えた名演である。
フランクはCD化で録音年の違いによる音質の差が目立つが、演奏には少しの違和感もなくトスカニーニはきわめて明晰な表現で、作品独特の響きと構成を白日の基にさらけ出す。
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