2009年11月06日
オイストラフのメンデルスゾーン&チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
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オイストラフがアメリカに行ったときの録音で、伴奏指揮の名人といわれたオーマンディをバックにしている。
このオーマンディのバックが、オイストラフのヴァイオリンを高々と持ち上げることに成功している。
オイストラフは、華麗で甘美なメンデルスゾーンを、表情豊かにロマンティックな香りをあふれさせ、万全に表現している。
とくに私が感心するのは第2楽章である。この緩徐楽章を、これほど豊かな表情で演奏した例というのは珍しい。
オイストラフは、真面目だが奔放なところもあり、その奔放さは第3楽章を聴くとよくわかる。
第1楽章のあの憂愁を帯びた甘美優雅な主題は、オイストラフならではの見事さである。
チャイコフスキーはオイストラフが最も脂の乗っていたころの録音だけあって、たいへん彫りが深く、密度の濃い演奏である。
技術的にも音楽的にも完成度が高い。
そのスケールの大きさとロシア的な情感を色濃く表出した骨太の表現に惹きつけられる。
オイストラフは、体の大きな逞しい人であった。そして、ヴァイオリンをまるでおもちゃのように扱いながら、完全無欠な演奏を行なった。
そのエネルギーと迫力と豊かな抒情性は、オイストラフならではのもので、第2楽章カンツォネッタなど、あくまでもロシアの歌を聴くような思いがする。
オーマンディのバックは、この曲のもつ哀愁と華麗さとを、見事に表出していて素晴らしい。
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