2010年07月29日

ゲルギエフのショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」


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現代ロシアの楽壇を牽引するゲルギエフは、そのあふれるばかりの表現意欲と一分の曖昧さをも残さない徹底した解釈とで作品を雄弁かつ鋭角的に再現、この交響曲が秘め持つインパクトをまさに裸になって披歴している。

前例を見ない壮麗さ、大胆というべき表現の劇的起伏、そして原色的色彩感とリズムの鮮やかさが無類であり、圧倒的である。

それは確かにショスタコーヴィチの戦争交響曲の一つとしての位置づけの中で再現した熱演に他ならないが、ゲルギエフの指揮で聴くとき、その戦争はスペクタクルなどでは毛頭なく、苦悩する人間の姿が描かれた深刻なメッセージが噴出してのた打ち回っているかのようだ。

汗びっしょりになってタクトを振るその姿から「燃焼型」のようなイメージを持たれるゲルギエフだが、オペラハウスで鍛えられたドラマティックな面と明晰な楽曲分析による細かいアーティキュレーションをオーケストラに徹底させるクールな面を併せ持つマルチな指揮者である。

通常の倍程度の管楽器プルトを必要とするため、手兵マリインスキー管弦楽団にロッテルダム・フィルを加えた共同オーケストラで録音に臨んだ《レニングラード》は、第1楽章から大人数とは思えないくらいにダイナミックレンジを抑えてドライヴ。

第3楽章は美しくも哀しげなカンタービレが顔を覗かせるが、第4楽章途中まで抑えた演奏は続き、そして、「近づく勝利」を表現する怒涛のフィナーレへ突入。

その迫力たるやまさに鳥肌もの。

作品の核心を衝いた名演というべきだろう。

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classicalmusic at 18:30コメント(2)ショスタコーヴィチ | ゲルギエフ 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2020年03月26日 09:37
4 ワレリー ゲルギエフ,ラトルと並んで今世紀を代表する指揮者でしょう。特にチャイコフスキー,ストラヴィンスキー,ムソルグスキーそしてショスタコーヴィッチで数多くの秀演がありますね。でも彼の演奏はこれまでのロシアの指揮者と異なり,相当スタイリッシュで何となく物足りなく感じることもしばしばあります。従って,チャイコフスキーではウィーンフィル盤よりマリインスキー盤に愛着を感じます。ショスタコーヴィッチの7番はロストロポーヴィッチ指揮の新星堂盤を持っていますが,CD一枚に収めたかったためかテンポが速く,録音が劣悪です。そこでお尋ねします。本曲の録音良好な名演を何れ購入したいと思っていますが,バーンスタイン/シカゴ響盤かゲルギエフ盤か迷っています。どちらが良いか,またハイティンク,スヴェトラーノフ,コンドラシン,ヤンソンス等他の指揮者の盤がお薦めかご示唆いただければ幸いです。
2. Posted by 和田   2020年03月26日 12:11
バーンスタインの2度目の録音はニューヨーク・フィルとの旧盤よりかなりテンポは遅くなっていますが、全曲に緊張感がみなぎっていて、ドラマティックな表現もすこぶる雄弁で説得力も強いです。第1楽章で何度も反復され次第に増殖していく行進曲風の主題の扱いをはじめ、バーンスタインは作品の性格と特徴を明確に表現していますが、シカゴ響の彫りの深い豊かな響きもすばらしく、この巨大な交響曲の威容を鮮明に表現しています。
2組の大オーケストラを使った初演同様、ゲルギエフが手兵のふたつのオケを振った快演は第1楽章のふたつの主題から実に緻密で表情が豊かです。展開部の「戦争の主題」も雄大で、最後のカタストローフ、打ちひしがれた再現、コーダの平安への期待も説得力があります。やるせないスケルツォ、沈鬱なレクイエムの緩徐楽章もすばらしく、後者の中間部や終楽章のエネルギーの爆発は恐ろしいほどで、最後の「人間の主題」の回帰は感動的です。
その他ではコンドラシンも聴き応えのある出来栄えです。大柄で、モスクワ・フィルのパワフルな要素がいかされた内容ですが、デリケートな表現力、複雑なニュアンスに対しても配慮が行き届いています。
ヤンソンスは1988年当時のレニングラード・フィルの西欧風の洗練された響きが特徴で、木管セクションはやや弱体ですが、このきめ細かでクリアな響きは従来のロシアのオケからは聴かれなかったものですし、何より野放図なスペクタクルに陥らぬ点が好ましいです。
以上が私の推薦盤です。ご参考にしていただければ幸いです。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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