2010年03月09日

クーベリックのブルックナー:交響曲第3番&第4番「ロマンティック」


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クーベリックのブルックナーは基本的にはヨッフムやハイティンクと変わらない。

ここでもバイエルン放送響が、いかにもブルックナーに相応しい洗練された明るいサウンドで、開放的に音楽を朗々と鳴らせている。

そののびやかさが、ブルックナーの曲を魅力的にしている。

第3番(エーザー版)は洗練された音彩で一貫しながら、表情が実に自然である。

作品のもつ自然への憧れや宗教的な深さを、きわめて端正に表現しながらも、ロマン的な情感もうまく表出した、クーベリックらしいバランスのよい演奏である。

ブルックナーの音楽には大自然のパノラマを連想させるような趣とともに、ウィーンの伝統や都会的な雰囲気が共存しているところがあるが、クーベリックはその両者を見事な平衡感覚で表現している。

第1楽章は多様な変化をきわめて雄弁に表出しながら格調が高く、表情のきめも細かい。

第2楽章以降も音楽的な表現で、装飾的な楽句の処理も適切である。

第4番(ノヴァーク版)も正攻法に徹した端正なブルックナー。

きわめてオーソドックスな表現を行いながら、ごく自然に音楽を流した演奏である。

全体の仕立てが豊饒なロマン的色調にふくれながら、音楽構成の堅牢な支柱を深く内に包みこんでおり、曲全体の楽章の構成まで実に自然である。

あらゆる表情が自然な流れを生んで全く姑息なところがなく、のびのびと雄大な音楽を作っている。

オーケストラの重厚な響きも素晴らしく、ブルックナーの求める響きをもち、数あるこの曲のレコードでも最も注目すべき1枚。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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