2010年04月01日

ブーレーズ&シカゴ響のマーラー:交響曲第9番


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マーラーが完成させた最後の交響曲は、前作《大地の歌》の最後で歌わせた「永遠に」の旋律が再び冒頭から登場するように、地上的なゴタゴタから離れ、生き死にの葛藤さえ越えて、彼岸を見つめているような作品。

同時に、棺桶に片足を突っ込みながらも、生への執着から完全に解き放たれることもままならず、なかなか成仏できない者のためのミサ曲でもある。

つまり、調和と葛藤という二重性がこの曲のテーマなのだ。第1楽章でソナタ形式を踏襲しながらも、二重変奏曲風にも聴こえるように。

ブーレーズという指揮者は、かつてギンギンに理論武装したスタイルでキチキチに音楽を締め上げる指揮者の代名詞であった。

ところが、今ではスター指揮者に落ちぶれてしまった、と評されることも多い。

その音楽から意志の強さが消え、または大レーベルの看板指揮者として利用されたのは事実であるけれど、それを単純に堕落とだけ見なすのは軽率のような気がする。

最近のブーレーズの持つ、飄々とした軽みは、この曲の持つ二重性を素直に表現しているように思えるのだ。

意志が透徹されていないからこそ獲得されるもの、いや意志とは関係ない次元で訪れるものがある。たとえば、死とはそういうもののように。

両端楽章は、その運命を受け入れるかのように、枯れている。

主題が最終的に聖化されて高らかに歌われるのではなく、徐々に消滅に向かう作品だから、この方法は理に適っている。室内楽的な書法が美しく響く。

それに比べて、中間の2つの楽章は悪魔のダンスのように、やたらに乾いていて細かいのが邪悪。というか、ここまで悪ふざけしたこの楽章は聴いたことがない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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