2010年03月11日
シャイーのマーラー:交響曲第10番[クック版]
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シャイーのマーラーの初録音で、内的燃焼度の高さと緻密な構成力を併せ持つ名演として特筆される成果を見せている。
シャイーの真価を見せた録音で、敢えてクック版で全曲を演奏した必然性すら実感させる。
マーラーがこめた内的メッセージに鋭い光をあてた演奏であり、純度の高い表現に心洗われる。
晩年のマーラーの暗鬱さを耽美の世界におきかえた感もあるが、シャイーはそこに知的な透明感をプラスし、鮮明に旋律を歌わせみずみずしい。
第1楽章は特にその感が強く、各楽器を緻密に処理し、マーラー独自の書法を明晰に表現している。
第2楽章も純粋そのもの。
第3楽章のプルガトリオは表情の彫りが深く、第2スケルツォと終曲も二元的要素をよく理解した表現。
光と影の交錯する名演で、全曲に聴く蒸せかえるような熱気もシャイーならではのものだが、品位は失われることなく、知的興奮に誘う。
ベルリン放送交響楽団の水準もきわめて高い。
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