2010年03月16日
ジュリーニのドヴォルザーク:交響曲第8番/ラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」
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ジュリーニならではの懐の深い音楽に思わず引き込まれる名盤。
ジュリーニにとって2曲とも3度目の録音だけに、隅々まで磨きあげた表現をつくっている。
特にドヴォルザークは旋律を晴朗かつ伸びやかに歌わせながら、構成力が強い。
繊細と豪快を合わせ持ち、決して煽情的にならない格調の高さがあり、これこそ巨匠の音楽といえるだろう。
オーケストラのアンサンブルはきわめて緻密に構築されており、しかも堅苦しさは微塵もない。
ドヴォルザークの音楽の源泉であるボヘミアの民族的要素を適度に表出しながら、音楽はまったく弛緩することなく進んでいく。
チェコの指揮者とオーケストラによるそうした民族的要素をより生の形で表出した演奏も魅力的だが、交響曲という形式のなかに織り込み、高い次元に昇華させたジュリーニの解釈はより含蓄に富んでいる。
格調高い語り口で進行していく音楽は細かな作為とは無縁。その総体としてこけおどしではない大きな劇的起伏が作り上げられるのには驚かされる。
それは無欲の境地に到達した巨匠のみに可能な演奏といえるだろう。
ラヴェルも優雅な表現で、洗練の極みともいえる音と表情がユニークで、各曲の特色が判然と示された秀演だ。
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のしっとりとした美しい響きと高いアンサンブル能力も特筆に値する。
共感豊かな演奏によってジュリーニの伴侶となっている。
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