2010年08月01日

ベーム&ウィーン・フィルのモーツァルト交響曲第40番&第41番「ジュピター」


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ベームのモーツァルトに対する敬愛は、1959年から68年までに収録されたベルリン・フィルとのステレオ初の交響曲全集に昇華しているが、このウィーン・フィルとの第40番と「ジュピター」は、それからさらに10余年も経て録音されたものである。

それは、最晩年の円熟というような単純な図式ではなく、ベームのモーツァルト観やこれらの作品に対する知的な畏敬の念を、かなり重厚なスケールの中に明らかにしたものといえよう。

この演奏の特色は、一言でいえば、およぶ限りの表現の贅肉をそぎ落としてしまった点にある。

ベームの指揮の一大特徴であるリズムの生気は、典雅な柔らか味をこえて、しばしば厳しい鋭さを示す。

響きの色彩の具合も単純明快で、情緒的世界に結びつき易い色合いを強く制している。

情感豊かなワルター盤に対し、ベーム盤はきわめて峻厳な演奏である。

感傷的な流れにおちいらず、楽曲のもつ構成的な美しさを引き出しているところが見事だ。

両曲ともウィーン・フィル固有のオーボエとホルンの音が有効に使われている。

音楽の構造性においても、その音響においても、骨格の確かさや太さを思わせ、芯の通った力強さを聴かせているが、そこには彼ならではの品格が見える。

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classicalmusic at 17:43コメント(6)モーツァルト | ベーム 

コメント一覧

1. Posted by Kasshini   2014年04月03日 12:33
お久しぶりです。
私は、人生の中で今、最もモーツァルトに聴き入っております。
交響曲第40番、41番と言えば、私が目覚めたきっかけはジョージ・セルであり、今でも1番聴いています。これから再録が出るとのことですが、ブリュッヘンの古雅な音色も好きです。カラヤン、ベームのそれぞれヴィーンフィルを今朝聴いていますが、管合奏がときおりオルガンのように荘厳に響きますね。この音色だとR.シュトラウスが『ジュピター交響曲は私が聴いた音楽の中で最も偉大なものである。終曲のフーガを聞いたとき、私は天にいるかの思いがした』と評した理由も分かる気がします。
和田さんの最もお気に入りのモーツァルト 交響曲第40番・41番のCDをお聞かせください。
2. Posted by 和田   2014年04月03日 14:01
モーツァルトの交響曲第40番、第41番「ジュピター」のCDでは、クーベリック&バイエルン放送響のオルフェオ盤(1985年ライヴ)が特に気に入っています。
すべての反復を励行した長大な演奏ですが、モーツァルトの偉大な交響曲を最も雄大なスケールで描き切り、他の大指揮者の名演と比べてもひときわ高峰に聳え立つ超名演です。
ライヴならではの感興の豊かさと燃焼度の高さも聴きものです。
未聴でしたら、ぜひご一聴下さいませ。
ちなみに、オリジナル楽器の演奏ではブリュッヘンが一番ではないでしょうか。
3. Posted by Kasshini   2014年04月03日 14:53
コメントありがとうございました。
近々、手に入れようと思います。
クーベリックのスタジオ録音は図書館で借りて聴いた印象は、テンポはとてもいいのだけど、あまり印象に残ってはいません。どう覆されるか楽しみにしています。
また今回は、あえてウィーンフィルにこだわって、ウィーンフィルで過去最高と思えるCDをお聞かせください。
iPhoneに、カラヤン、ベーム、パブリックドメイン化したヴァルタと聴いています。ヴィーンフィルだと他ではレヴァインは聴いていますが、他の指揮者は未聴です。もちろん、今挙げた4者であれば、それで構いません。
貴ブログを見ると、ベーム、ヴァルターがとりわけお気に入りなのかなと言う印象がありますが。
4. Posted by 和田   2014年04月03日 19:54
クーベリックのモーツァルトの交響曲第40番、第41番「ジュピター」に関しては、スタジオ録音とライヴ録音は全く別物です。ぜひライヴ録音のオルフェオ盤を聴いてみてください。
ウィーン・フィルの同曲の録音となると、ワルター、ベームは外せませんが、ユニークなのは、クナッパーツブッシュ盤です。
今では入手困難かもしれませんが、クナはやりたい放題大暴れ、しかも大成功を収めています。
5. Posted by Kasshini   2014年04月08日 15:19
昨日クーベリックの1985ライブが届きました。
ニコ動で、全曲聴けたので、間違いないだろうという確信をもった上で、iPhoneに転送して聴きました。
最初に感じたことは、よくぞすべて繰り返して飽きない演奏をされたと言うことです。
レヴァイン、ブリュッヘンで聴いたときは、繰り返しがくどいなと感じていましたが、それらが一切ないことに驚きました。
アンサンブルは、冒頭ととりわけ41番第4楽章コーダ前のリタルダントはさすが崩壊寸前になるものの、それ以外はとてもいいアンサンブルで。急なリタルダントをかけてあざとく感じないところも素晴らしい。
音色は、古楽器のような雅さは、ヴィーンフィルに顕著なオルガン風ではなく、かつ低弦がもう少し増しの方が良さげですが、セルに準じる音色の等質性もあって、音色もとてもよく、人によって神が降りたと言うのも分かる気がしました。
ヴィーンフィルは、ヴァルターが図書館で借りられたので、そこから聴こうと思います。
ありがとうございました。
6. Posted by 和田   2014年04月08日 15:30
早速クーベリックのライヴ盤を聴いていただけましたか。
レヴァインやムーティが励行する反復は工夫がないというか、ただ繰り返しているだけのように聴こえますが、クーベリックはそうしたことを少しも聴き手に感じさせない偉大な表現になっています。
交響曲第40番では、ワルター&ウィーン・フィルの1952年ライヴ盤は必聴ですね。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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