2010年04月02日

アバドのマーラー:交響曲全集


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アバドがマーラーの交響曲全集を完成した1995年の時点での全集。

その後、第3,4,6,7,9番についてはベルリン・フィルとのライヴ盤がリリースされているので、第2番の録音が加わればベルリン・フィルとの全集が完結することになる。

とはいえ、この3つ(ウィーン・フィル、ベルリン、フィル、シカゴ響)のオーケストラを振り分けた全集の価値が減じることはない。

各団体にふさわしい作品があてられ、アバドは各々の個性を生かした演奏を展開しているからだ。

ワルターらの第一世代、バーンスタインらの第二世代につぐ、マーラーが広く国際化された時代の名演奏としてマーラー演奏史に残る金字塔だ。

作品の持つ世界に過度にのめり込むことなく、スコアをありのままに表現するアバドのアプローチは不変だ。

しかも、音楽がもつエネルギーはいささかも減じることはない。

マーラーの楽譜の指示を細かく生かし、随所にアバドの個性を感じさせる演奏だ。

アバドのマーラーには新鮮な感覚で作品を大胆に摑みとった痛快な印象に加え、歌う魅力がある。

実によく歌わせたマーラーであり、旋律は歌わせるためにあるのだという考えを音楽の上で如実に示したような演奏になっている。

そして盛り上げるべきところでは断固として表情をつくるので、それぞれの楽章に明快な起伏が生まれる。

アバドは、マーラーの音楽の各部分を緻密に克明に再現する。

歌が中断し分断されるマーラーの音楽の構造が抜群の音楽性をともなって見通しよく示される。

こうした点に、部分をつないで歌をわかりやすく全うしようとする前世代の多くのマーラー演奏とは異なるアバドの特質が聴き取れるが、さらにアバドの場合、個々に分断されて自立し並列する部分ひとつひとつの歌の可能性を追求して、その繊細なパッセージを可能とあらば気合を込めて歌い込む。

アバドのマーラーの魅力と特質と現代性はここにある。

マーラーの演奏史に新たな1ページを刻んだ全集といえる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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