2010年06月12日
スメタナSQ&スークのモーツァルト:弦楽五重奏曲全集
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モーツァルトの6曲の弦楽五重奏曲は、この天才作曲家全作品のなかでも異彩を放っている傑作だけに名演が多い。
1966年録音のブダペスト弦楽四重奏団にトランプラーのヴィオラが加わった演奏は、この名作を紹介するのに大きな力となった。
チェコのスメタナ四重奏団の演奏は、決して派手ではなかったが、誠実そのもののその渋い演奏は、特に日本の愛好家に好まれた。
日本コロムビアがデジタル録音の先鞭としてPCM録音機を開発、1976年(昭和51年)にまだ大型のその録音機をヨーロッパに空輸して、チェコで録音したのが、弦楽五重奏曲の第3番と第4番であった。
スメタナ四重奏団にヴァイオリンの名手ヨセフ・スークが第1ヴィオラとして特別に加わったこの演奏は、当時の最高の音質とスメタナ四重奏団とスークの見事に整えられた演奏によって、その年度の話題盤となった。
このシリーズの第2回目の録音は1981年の第2番と第6番、そして83年に第1番と第5番を録音し、いずれもデジタル録音で全曲の形となった。
先年解散してしまったスメタナ四重奏団の残した名演として、この6曲の演奏は貴重なものとなっている。
スークがスメタナ四重奏団によく溶け込み、きわめて精緻なアンサンブルとなっている。
その顔合わせと芸術的水準の高さは室内楽ファンを魅了してやまない。
特にスメタナ四重奏団、そしてスークの全盛期に録音した第3番と第4番の演奏は、ブダペスト弦楽四重奏団とトランプラーの熱演と対極をなす名演として語り継がれよう。
正確・精妙さに加え、功成り名を遂げたスメタナの、ゆとりのある演奏が楽しめる。
"まろやかな"モーツァルトを好む人にはぴったりだろう。
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