2010年07月12日

ロストロポーヴィチのバッハ:無伴奏チェロ組曲


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指揮よりももっとチェロに専念してほしい、と願っていたロストロポーヴィチのファンは多かったはず。

その彼がようやく60代半ばにしてバッハの《無伴奏チェロ組曲》全曲を録音した。

30代で「カザルス以降の最高のチェリスト」といわれた彼が到達し得た至高の境地などというとカッコイイが、彼にとって常にカザルスの存在は大きなプレッシャーとなっていたことは想像に難くない。

思えば同作品はカザルスにより発掘され、彼が60歳前半にして全曲録音が成った歴史がある。

ロストロポーヴィチは、そのカザルスに「これまでのチェロ演奏の観念を覆したチェリスト」と絶賛されたが、それを自ら悟ったような痛快さがこの演奏にはある。

カザルスの歴史的名盤をはじめ、それぞれに優れた演奏は多いが、なかでもロストロポーヴィチのものは、舞曲形式のみのこの全6曲を、緻密、しかも壮大に仕上げている。

私は聴く度に、おのおのが6つの面を持つ6つの塔からなる大伽藍を思い浮かべ、それが、朝日、夕日の光を受けて壮麗に輝く様を想像してしまう。

これはバッハの生命力に加え、これを貫徹し表現しようとする、ロストロポーヴィチの強い意思力、奔放な情熱によるもので、それがまた、従来の観念を、くつがえすほどの技術に支えられているからに他ならない。

真摯にバッハの音楽の本質に迫ろうという意気込みが伝わってくる演奏で、ロシアにおけるバッハ演奏の伝統が実感できる。

ロストロポーヴィチの演奏には決して小手先の器用さや気のきいた解釈といったものはなく、しっかりと大地を踏みしめるかのような安定感のあるスケールの大きさがある。

いわば自分の楽器を正眼にすえての真剣勝負とでもいおうか。

そこにはまさに大家の風格がはっきりと刻印されている。

ソ連当局と命をかけて戦い抜いた不屈の闘志は、チェロを構えて張りつめた姿からもうかがわれる。

巨人による巨大な演奏、まさに"枯れた"至芸だ。

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classicalmusic at 19:02コメント(0)トラックバック(0)バッハ | ロストロポーヴィチ 

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