2010年08月08日
カラヤンのモーツァルト:デイヴェルティメント 第17番&アイネ・クライネ・ナハトムジーク&セレナータ・ノットゥルナ
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
カラヤンがベルリン・フィルのピック・アップ・メンバーで録音したもの。
演奏はいずれもカラヤンが、自らのモーツァルト観をきっぱりと打ち出した独特のスタイルによるもので、モーツァルトの音楽特有の旋律の美しさが随所に満ち溢れている。
3曲とも流麗に流した演奏で、ふるいつきたくなるほどの美しさが随所に溢れている。
聴いているうちに次第にモーツァルトの内懐の中へ抱き抱えられてしまうのは、まさにカラヤンの魔法的な棒の力といってよかろう。
カラヤンは、流麗で端正な音楽を好んだが、ディヴェルティメント第17番は、そうしたカラヤンの最も得意としていた曲の一つである。
カラヤンはディヴェルティメントを単なる社交音楽という以上に弦楽器群の豊麗な響きと魅力をシンフォニックに発揮させ、彼ならではの演奏を艶やかに聴かせている。
分厚くシンフォニックで、いくぶん粘りが強く、まるで交響曲を聴いているかのような感じとなっているが、その磨き抜かれた美しさと語り口のうまさは傑出している。
ことに、第2楽章の、さまざまに表情を変える変奏の部分の美しさは秀逸だ。ただし主題の後半の繰り返しだけを省略しているのには疑問が残る。
第4、5楽章も旋律を実に流麗に歌わせている。
「アイネ・クライネ」も同様に、粘りのある重厚な演奏。
「セレナータ・ノットゥルナ」の第3楽章ではロンド主題のアウフタクトを逆附点で扱っている。
このディスクではむしろ、ベルリン・フィルの弦の合奏力の凄さに注目すべきで、そのアンサンブルの精緻さと、艶のある音色の美しさには圧倒される。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。
コメント一覧
1. Posted by 小島晶二 2020年04月05日 10:39

2. Posted by 和田 2020年04月05日 13:05
カラヤンのモーツァルトは、独自の自己主張を表した表情がときに牛刀をもって鶏を割く感を与えますが、いっぽうで磨き上げた音彩と柔らかいニュアンスが特徴と言えます。
私はその端麗な美感に魅了されます。輪郭をぼかしたような響きとレガートの用法がカラヤン風であり、彼が独自のモーツァルト観を持っていたことを示しています。ディヴェルティメントは曲趣にふさわしくくつろいだ表現で、このカラヤン風の表現は、やはり交響曲よりディヴェルティメントの方で抵抗なく聴けます。
私はその端麗な美感に魅了されます。輪郭をぼかしたような響きとレガートの用法がカラヤン風であり、彼が独自のモーツァルト観を持っていたことを示しています。ディヴェルティメントは曲趣にふさわしくくつろいだ表現で、このカラヤン風の表現は、やはり交響曲よりディヴェルティメントの方で抵抗なく聴けます。