2010年04月17日

ドラティ&デトロイト響のストラヴィンスキー:3大バレエ、他


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組み合わせと録音のすこぶるよいディスクである。

いずれも、ドラティのバレエ音楽に対する自信のほどがはっきりと示された名演で、バレエ音楽に非凡な才能をみせてきた巨匠ドラティの優れた演奏。

ドラティは、ブダペストのフランツ・リスト音楽院でバルトークやコダーイに作曲を学び、1933年にモンテ・カルロを本拠とするロシア・バレエ団(バレエ・ルッス)の指揮者となり、1941年からアメリカのバレエ史上の大きな足跡を残したバレエ・シアターの創設に音楽監督として参加した。

そうしたドラティにとってストラヴィンスキーのバレエ音楽は自家薬籠中の作品といってよいだろう。

ドラティはデトロイト響を意のままに動かしながら、丁寧に仕上げている。

永年に渡ってあらゆるバレエ音楽を手がけてきたドラティだけあって、その棒が冴える。

細部に至るまで神経が行き届いた実に鮮やかな演奏で、リズム処理のうまさはこの指揮者独特のもの。

ドラティは大編成のスコアを極めて綿密に読みつくしていることを思わせ、そのオーケストレーションがもたらす音色的な推移やリズムの変化などを鮮明に描き出しながら、これらのバレエ音楽の踊りと情景とを見事な構成感のもとに表出している。

《春の祭典》は、70歳を越えた指揮者のものとは思えないほどの力感と情熱にあふれ、しかも急所はピタリと抑え、全編が精密に構成されている。

ドラティは、確信にみちた運びの中に力感あふれる表現をしなやかに行き渡らせ、デトロイト響の反応も優れている。

ことに、第1部の「賢人の行列」や、第2部の「祖先の呼び出し」などの巧みなまとめかたは秀逸である。

《ペトルーシュカ》では、第3場の人形たちのデリケートな動きや、最後の場面での不気味な雰囲気にあふれた表現など、心憎いほどの腕の冴えを見せる。

《火の鳥》は初演版による演奏である。

このドラティの晩年にデトロイト響を指揮して録音された《火の鳥》は、表現の巧緻な点で、3大バレエの中でも最もすぐれているといってよいのではないだろうか。

録音当時76歳のドラティは、風格あふれる運びと精緻な表現で、音楽の細部を実に的確にバランスよく描く。

この柔軟で確かなバランスゆえに、聴き手は音楽の大きな流れと新鮮な生命感をたたえた演奏の中にも、細部の魅力を無理なく味わえる。

細部まで実に的確な切れ味の良い表現が生き生きとしなやかに織りなされており、その精緻な美しさと全曲を見通した構成の良さは、数あるこのバレエ音楽の演奏の中でも群を抜いている。

しかも、作品を知りつくした巨匠は、各曲をいかにもバランスよく鮮明に描き分けて、見事なドラマをつくってゆく。

オーケストラ・トレーナーとしても類まれな手腕をもっていたドラティに鍛えられたデトロイト響の鋭敏な反応を示し、しなやかに強い集中力をもった反応も素晴らしい。

バレエ音楽のスペシャリスト、ドラティの透徹した解釈が年輪を加えることによって、いっそう見事な香気を放った名演というべきだろう。

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