2010年09月25日
シノーポリ&シュターツカペレ・ドレスデンのベルク:管弦楽曲集
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
シノーポリは、極端なコントラストをつけるのが好きだった。黒か白みたいな音楽作りだった。それがうまくいくときもあるが、底が割れてしまうときもある。トスカニーニにしろ、イタリアの音楽家にはそのような強い傾向が見られることがままある。
だとすると、中間色を豊富に持つシュターツカペレ・ドレスデンとの相性はどうなるのか?
心配ない。オーケストラは、シノーポリがどう棒を振り回しても、動じなかったのだ。あくまでオーケストラの表現力主導の音楽になる。
それで、彼らの《抒情組曲》《ヴォツェック》断章、《ルル》組曲。
とにかくオーケストラ自体の力に脱帽する。
ぞっとするような艶っぽい、そして不安げで重苦しい響きを立てている。
《ヴォツェック》断章をこれほどの密度と洗練で演奏した例は、これとカルロス・lクライバーの海賊盤(Melodram)くらいだろう。
とりわけ3つめの楽章の繊細きわまりない音色の饗宴には降参だ。クライバーだとヴェズリモ的にワッと行くのだが、ドレスデンだと控え気味である。
だが、その抑制のなんたる気持ち悪さ。頭の部分もだが、ヴォツェックが溺れたあと、2分20秒過ぎからの妖しくうねる美しさ。
そして《ルル》組曲の第1曲も同様で、足下から冷気がジワジワのぼってくるようだ。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。