2010年07月01日

パールマンのクライスラー:ヴァイオリン名曲集


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パールマンの溌剌とした情感があふれ出たような演奏だ。

アーティキュレーションが格別に見事な、そして自らの表現力とテクニックを誇示するといっても過言ではないその演奏は、それぞれの曲をいわば白日のもとに置く。

あまりに光の部分が表に出過ぎてはいるが、このヴァイオリンの名手の音楽に輝かしい光を当てる、颯爽とした見事な演奏であることは確かなことだ。

このヴァイオリニストらしい、本質的に奔放さをもった音楽的資質と楽器そのものの生理とあいまって、まことに自在感に満ちた表現を生み出している。

小品のそれぞれが鮮やかな個性を主張する若々しい演奏であり、じっくりと味わえる演奏。

イツァーク・パールマンとクライスラーの作品というと、ちょっと合わないように思う人もいるかもしれないが、実は彼の演奏するクライスラーの音楽は、ウィーンの演奏家にも劣らないほどウィーン風の美しさを持っている。

それはひとつには、パールマンがどんな曲を弾いても常に自分自身で音楽を楽しんで演奏する、そうした彼の演奏の本質によるものだが、それに加えてこのクライスラーの音楽では、嫌味のない自然なポルタメントを用いて、ウィーン独特の雰囲気を醸し出していることにもよる。

例えば、ドヴォルザークの《スラヴ舞曲》の編曲では、多用されている二重音の表現にノスタルジアさえも感じられ、ドヴォルザークよりもウィーンのクライスラーを強く感じさせる。

また《美しきロスマリン》や《愛の悲しみ》などの、微妙なテンポの揺れやワルツのリズムの取り方にも独特のものがあり、ピアノのサンダースのうまさも注目される。

ヴァイオリンの音楽には、この楽器の官能性を追求する作品があるが、クライスラーの作品はその最たるものである。

そこでは倫理的な音楽はかえって邪魔になるといった事情をパールマンはよくわきまえ、一応芸術としての枠内に留まりながら色気をも充分に発揮した演奏を聴かせてくれる。

その境界をわきまえることは、実はとても難しいのである。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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