2014年09月06日
ナイ&コンヴィチュニーのブラームス:ピアノ協奏曲第2番
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1955年3月3日 コングレス・ハレ、ライプツィヒでのライヴ(モノラル)録音。
エリー・ナイ(1882-1968)は20世紀前半に活躍したドイツの名女流奏者。
ドイツでかつて“ピアノの女神”と称えられたエリー・ナイは、わが国では不当に低く評価されていないだろうか。
彼女のベートーヴェン演奏は、バックハウスやケンプとは比較にならぬほどの“尊敬”と“敬愛”を集めていた。
E・フィッシャーと並んで、ドイツ・ピアニズムの精神性を、“信仰”の次元にまで高めたのが、ナイの演奏であった。
ナイは戦前から活躍しながら、わが国ではあまり知られていないが、ベートーヴェンとともにブラームスも得意のレパートリーとしていただけに、力強い構成力と優美な情感が結びつき、聴き応えがある。
ひとつひとつの音の表情が細かいため、フレーズに豊かな感情が息づき、それが強い推進力と相俟って充実した演奏を生み出している。
テクニックは万全ではなく、むしろ、老境にあるナイのピアニズムは拙々としたものだ。
しかし、この同曲の「精神美」の本質を、最もドイツ的な美意識とドイツ的な語法を用いて演奏したナイのこの録音は、永遠に伝えられるべきものである。
コンヴィチュニー指揮のゲヴァントハウス管弦楽団も同じ傾向の演奏で、ドイツ人の典型的なブラームスが聴ける。
コンヴィチュニーの重厚な伴奏はオーケストラ音楽としての、この名曲の真価も存分に堪能させ、それに融合したナイの深々とした叙情とバックハウス、ケンプに伍して一歩も引かないスケールを誇るこの名演は、ドイツ音楽、ドイツ型演奏の愛好家には堪らない逸品と言えるだろう。
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