2010年06月07日
ジュリアードSQのモーツァルト:弦楽四重奏曲第14~19番 「ハイドン・セット」
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ジュリアード弦楽四重奏団は、アメリカのジュリアード音楽院の教授たちによって、1946年に結成された団体で、何度かメンバー・チェンジを繰り返しながら、アメリカを代表する名四重奏団として、現在でもその活躍ぶりは目覚ましい。
そのレパートリーも、こうした古典音楽からバルトークまで驚くほど広い。
これは1977年、第2代のメンバーによる演奏だが、この団体が最も脂ののっていたころだけに、完璧な技巧を駆使しながら、メリハリをきちんとつけたその表現は、安定感を感じさせる。
演奏は透明で明晰。それは一見モーツァルト的だが、様式美に傾きかかっている。
各楽器の均質の音と技巧、完璧なバランスを保ちながら、暖かい血の通った演奏を目指すようになった第2次黄金期の記録である。
ジュリアードSQは、精妙でシャープなアンサンブルを誇る鋭利で研ぎ澄まされた表現を聴かせているが、緻密さの極限を追求したといえる彼らのアプローチは、とても無垢で純度の高い作品像を彫琢する結果をもたらしている。
4人の声部の動きを明確にしながら、各曲の楽想をきめこまやかに描出しているところなど素晴らしい。
各パートが強靭な張りを持ち、恰幅も座りもよい表現のうちに花も実もあるモーツァルトを聴かせているのが特徴。
K.387の逞しいリズムの上に堅牢に組み上げられた音建築の安定のよさ、K.421の充実感、K.464の硬軟両刀を使い分ける熟達した表現も素晴らしい。
〈狩り〉は出色で、牧歌的な情景が彷彿とし、夢見るようで、ユーモアにも富んでいる。
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コメント一覧
1. Posted by 小島晶二 2020年02月04日 09:53

2. Posted by 和田 2020年02月04日 11:06
話はそれますが、小島さんがハイドンの交響曲の最高傑作と言われる100番、104番に、特に好きだと言われる86番をカップリングしたシューリヒトのディスクを見つけました。
オケはバラバラで録音も余りよくないですが、演奏は実にチャーミングなので、もしお持ちでなかったら、オススメしておきます。
私は労作揃いのハイドンの交響曲の中では、疾風怒濤期の作品群もよく聴きます。
オケはバラバラで録音も余りよくないですが、演奏は実にチャーミングなので、もしお持ちでなかったら、オススメしておきます。
私は労作揃いのハイドンの交響曲の中では、疾風怒濤期の作品群もよく聴きます。