2009年12月12日

ヴンダーリヒのシューベルト:美しき水車小屋の娘(1964年モノラル)


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ヴンダーリヒは36歳の若さで死去してしまった。

そのためか若さが表現として必ずしもプラスにはならないリートを歌うことは、他のジャンルと比較してまだまだ少なかったようだ。

当然、録音も僅かしか残さなかった。

しかし、その中にシューベルトの「美しき水車小屋の娘」があるのは何と喜ばしいことだろうか。

しかも正規の録音を2回も行っている。

もちろん、正規の録音は物理的な条件も良く素晴らしいのだが、ここで紹介するのは正規の録音ではない。

しかも、全曲にわたってなぜかカットされた箇所がある。

しかし、表現の素晴らしさに正規の録音を上回る質があるので敢えて紹介したい。

演奏のコンセプトそのものは、伴奏も同じギーゼンが務めており、死の直前1966年7月に録音されたDG盤とほぼ同じと言える。

しかし、声の状態やニュアンスの滑らかさはこの録音の方が良く、素朴だが奥の深い「水車小屋」の歌物語を流れるような旋律美で歌い切っている。

特にこの歌曲集はメリスマティックな動きが多いだけにヴンダーリヒの滑らかな表情は作品の本質と完璧に一致する。

第1曲「さすらい」の期待に弾む躍動感、第4曲「小川への感謝」の自問自答の静かな情感、第14曲「狩人」の苛立ち、最後の第20曲「小川の子守歌」での慰めの表情など詩の内容と絡めた各々の楽曲の特質を描き分けているだけでなく、全体の一貫した盛り上がりがあるのが何よりの聴き所になっている。

とりわけ第18曲「枯れた花」から最後にかけての表出力は聴く者の心理を揺さぶる。

この「水車小屋」もまたシューベルトの素敵な〈歌〉の魅力に満ち溢れている。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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