2009年12月18日

F=ディースカウのヴォルフ:歌曲全集


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シューベルトやシューマンはたとえば《冬の旅》や《詩人の恋》などの連作歌曲集で、リートを物語的に展開する手法を編み出した。

それに対してヴォルフは《メーリケ歌曲集》や《アイヒェンドルフ歌曲集》《ゲーテ歌曲集》など、詩人別の歌曲集を編んだ。

彼がこれらの歌曲集で目指したのは、物語的な展開ではなく、これらの詩人たちの世界をプリズム的に分解し、そうすることでその全体像を万華鏡的に再構築することだった。

こうしてこれまで抒情に偏していたドイツ・リートは、彼に到って初めて人間の感情や心理を総合的にとらえる芸術となったのである。

そのためには詩人の世界のあらゆる側面に通じ、それをひびきで表現できなければならない。

ヴォルフはその総体性をくまなくとらえるために渾身の力を傾けた。

たいていのリート歌手は、ヴォルフのそうした多彩な総合性のうち、一、二のベクトルを拾い上げるのが精いっぱいというのが実情だ。

しかしF=ディースカウの『ヴォルフ歌曲全集』が姿をあらわしたとき、わたしたちは初めてその全体像を目のあたりにすることができるようになった。

とくに風刺やユーモアに満ちたリートの斬新な解釈と歌いぶりにかけては彼の右に出る者はいない。

バレンボイムの伴奏もそれに劣らず自由闊達で、ヴォルフの世界のあらゆるひだに敏捷にふれ、またF=ディースカウとの丁々発止のやりとりが実にスリリングで興奮させられる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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