2010年03月25日
バーンスタイン/最後の演奏会
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このバーンスタインの最後のライヴは、バーンスタインの衰えが目立つ演奏として、一般には不評の録音である。
しかし、バーンスタイン生涯最後のコンサートは、通常の演奏とは対極的な静寂と思索を感じさせる、ある意味別格扱いの録音としてここに挙げる。
1990年夏のタングルウッド音楽祭でのこのライヴ録音は、指揮者バーンスタインの最後の演奏会であった。
これはバーンスタインの音楽づくりをよく知っている者にとって、大変に驚くべき演奏であったと同時に、"リズムのアポテオーゼ"とか"舞踏の神化"といった評言で親しまれてきたベートーヴェンの交響曲第7番を知っている者にとっても、ショックの大きな演奏解釈であった。
ここに聴かれるような静寂さと思索に満ちた演奏は皆無であったと言っても過言ではないだろう。
もちろん、これがこの作品に最適の解釈であるかどうかは別問題。
もしかしたら、仮にベートーヴェン自身がこの演奏を聴いたとすれば予想だにしなかった感動で涙するかもしれない。
エネルギッシュで激情的、かつ生命力の漲る表情というのがこの作品に対する従来の一般的な認識であったとすれば、それはここにはない。
肉体的躍動の対極ともいうべき精神的深化の極みを聴くことができよう。
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