2010年10月01日

メニューイン&ケンプのベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」&第5番「春」


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これは1970年のベートーヴェン生誕200年を記念して行われた録音である。

古きよき時代の名演だ。

シゲティとかシェリング、あるいはハイフェッツやオイストラフ等々の巨匠たちの盤も捨てがたいのだが、ベートーヴェンのピアノ・ソナタの演奏で一つの頂点を築き上げているケンプとの二重奏ということで、トータルとして素晴らしい音楽感興の高まりがある。

全体的に遅めのテンポをとって、じっくりと作品に対決しているかのようだ。

確かに、現代の若手俊英たちが極めて精度の高いテクニックでピッチに微塵の乱れも見せずに弾ききるのとは違い、ところどころにピッチの決まりきっていない音もあるが、その音楽表情には、豊かな演奏体験と人間的な成長を経なければ達することのできないような深い味わいがある。

細かいことをいえば、アンサンブルにキズがないわけではないが、50代半ばのメニューインと70代半ばのケンプが織りなすベートーヴェンは、腕だけに頼りがちな若い演奏家にはない、人間的なぬくもりのあるうるおいを感じさせる。

このヴェテラン2人は、二重奏ソナタということで必要以上に対抗対峙することはない。

それぞれの役割と作品全体のコンセプトの中で捉えられた自然な音楽高揚を心がけているのである。

2つの楽器のコントラストとバランスの見事さが品位の高い音楽を作る。

「クロイツェル」は風格を感じさせる演奏だ。

ヴァイオリンもピアノも、やや動きが重いが、昨今の若い演奏家のスピードだけを重んじるような演奏に不満の向きには、花も実もある演奏として受け入れやすいかもしれない。

「春」ではおおらかな歌が聴かれる。

ここでも軽快さが乏しいのは否定できないが、円熟の表情がその不満を和らげてくれる。

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classicalmusic at 20:39コメント(0)トラックバック(0)メニューイン | ケンプ 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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