2009年12月29日

ミケランジェリのシューマン:謝肉祭/ウィーンの謝肉祭の道化(1957年放送録音)


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「謝肉祭」は、シューマンの想像力が奔放に飛翔したユニークな21曲のそれぞれから豊かなファンタジーをひき出し、かつそれらをひとつの大きな作品としてまとめあげることは至難なことのようで、ピアニスティックな魅力と幻想を併せ備えた演奏は、なかなか見つからない。

ミケランジェリの古い録音を選んだのもそのためで、1957年のBBCの放送録音を疑似ステレオ化した音は、必ずしも良好とはいえないが、この気難しい完璧主義者が四半世紀も後にレコード化を許した演奏だけに、ミケランジェリならではの鋭利に磨き抜かれたピアニズムとロマンティックな詩情と幻想が見事に一つになっている。

活力がみなぎっており、リズムの刻みが鋭角的で動意をはらんでいて、演奏の全体に大きなうねりが感じられ、それが聴き手を刺激し、緊張させる。

30代後半のミケランジェリの"熱気"が感じられる。

ミケランジェリには1975年のステレオ録音もあり、音の面ではむろん新盤の方がすぐれているが、冴えた表現と鋭敏に引き締まった活力といった点では、この旧盤の方が魅力があるし、その演奏には見事にコントロールされた一音一音にまで表現への透徹した読みが通っている。

鋭利なピアニズムとロマン的詩情を合一させた名演だ。

「ウィーンの謝肉祭の道化」はシューマンの楽想が織りなす幻想の世界が余すところなく表出されている。

特に躍動するようなリズム感が素晴らしい。

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classicalmusic at 01:32コメント(5)トラックバック(0)シューマン | ミケランジェリ 

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コメント一覧

1. Posted by maimai.t   2010年01月27日 19:07
1957liveも聴きもの。
UCCN1008(TESTAMENTO SBT・2088)
2. Posted by くまごろう   2017年06月03日 10:59
5 ミケランジェリの謝肉祭を聴いて元気をだそう!!
 シューマンのピアノ曲。
なんとなくどんより曇っていて、ゆらゆら漂うようで、仄暗くぼんやりしたイメージ。(森の情景op.82-7なんて。)というわけで、あまりシューマンは聴く気にはなれなかったのですが、このアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(1920-1995)のこのCDは明るい気持になれます。  
これからシューマンのピアノ独奏曲を可能な限り(作品番号がないものも含め)聴いてみたいです。 
ところで、和田さんのCD棚には既にあると思うのですが、このミケランジェリが認めた唯一の巨匠(amazonの商品説明より)のセルジオ・フィオレンティーノ(1927-1997)の後期の演奏を聴いてみました。          特に、幻想曲op.17(1996年録音らしい)はうっとり〜でした。有名なピアニストが素晴らしいと言っているピアニストってどんな人なんだろうと興味がわきますよ。
そのピアニストが師事した人はどんな人なんだろうとか(笑)いろいろ。  
因みに、ミケランジェリといえば、ガルッピのピアノソナタ第5番がラブリーで好きです。ガルッピって誰??
3. Posted by 和田   2017年06月03日 15:57
くまごろうさん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。
シューマンのピアノ曲の演奏に際しては、スコアに記された音符を追うだけでは不十分であり、その背後にある心象風景やファンタジーの世界を巧く表現しないと、ひどく退屈で理屈っぽい演奏に陥る危険性が高く、とても一筋縄ではいきません。
シューマンのピアノ独奏曲を可能な限りお聴きになりたいのであれば、イェルク・デムスの素晴らしい全集がありますので、お薦めしておきます。
4. Posted by くまごろう   2017年06月04日 19:40
教えていただきありがとうこざいました。早速ダウンロードして聴いています。イェルク・デムスさん、全く存じませんでしたm(_ _)m
さて、とりあえず聴いたことが無い曲から聴いています。作品番号がないものはもちろん、ソナタ1.2.3.番などたくさん聴いたことが無い曲があります。
CD8には、ユーゲントアルバムもありますね。すごいです!
さっきまで、エフゲニーキーシンのシューマンを聴いていました。なんとなくピアノの音がちがうように感じます、こちらはキーンとした音はなく、まあるいあったか〜い音がします。フリードリヒグルダのThe Gulda Mozart Tapesのピアノもこんな音。
いまのところ、好きな曲はCD-9の10曲目の主題変ホ長調WoO24です。
曲は全く似ていませんが、アルフレッド・ブレンデルが弾いていたシューベルトのピアノソナタ21番を思い出しました。なんか、さびしい(T_T)
とりあえず、何日もかけてじっくり聴いてみることにします。
5. Posted by 和田   2017年06月05日 18:09
デムスは、バドゥラ=スコダ、グルダと共に「ウィーンの三羽烏」と呼ばれた名ピアニストです。
デムスの描き出すシューマン独特の美しい詩情とロマンティシズムに耳を傾けて下さい。
シューマンは、どちらかというと、ピアノ・ソナタのような大曲よりも、むしろ小品を得意としていました。
彼は、文学的な資質にも恵まれていたので、文学的なものを音であらわす標題音楽におおいにその才能を発揮したのです。
くまごろうさんが好きな《謝肉祭》や《子どもの情景》などに最も良くあらわれています。
また、シューマンは、作曲活動だけではなく、音楽評論の筆をとったりして、自らの信じるところの新しい音楽を、世間に広めようと努力した人でもありました。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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