2010年04月09日
アーノンクール&ウィーン・フィルのブルックナー:交響曲第7番
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「3番」「4番」とコンセルトヘボウ管と共演してきたアーノンクールが、いよいよウィーン・フィルと組んで成し遂げた飛びきりの名演である。
ウィーン・フィルの魅惑の音色とブルックナーには格別の良さがあるが、それにしても、これほど大言壮語しないブルックナーは珍しい。
風が吹けばかき消されてしまうほどの儚さである。
徒らなヴィブラートを戒める弦の奏法により、響きは至純を極め、ブルックナーの無垢な魂を伝えてくれる。
ここに圧倒的な音圧はない。繊細なニュアンスやバランス感覚がこの演奏の命であり、それ故に再生の環境によって評価が左右される可能性もある。
弦の音圧がことさらに高いわけでないので、この魅力は聴き取りにくいかも知れない。
全曲のどこをとっても美しいが、第1楽章のしみじみと懐かしい歌、絶えず意味深い低音の進行など堪えられない。
第2楽章のテンポ設定の巧みさには目が開かれるが、天に登りつめたような壮大なクライマックスで、シンバルとトライアングルのない意味が、これほど分かる演奏も珍しい。
ワーグナーの死を予感して書かれたコーダの「葬送行進曲」におけるワーグナー・チューバの響きは痛切であり、巨匠の死を悼むブルックナーの魂の叫びが聴こえてくるようだ。
スケルツォもリズムそのものが生き物のようであり、シューリヒト以来の名スケルツォとなった。
ここでもバスの音型が生きている。
唯一気になるのは、第1楽章の終結でテンポを速めてしまうことだが、このまま堂々たるテンポで終えることができたら、感銘はさらに深まっていただろう。
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