2010年04月22日

アファナシエフのシューベルト:ピアノソナタ第19番&第20番&第21番


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アファナシエフは詩人だ。彼の思索は深く、そしてその洞察力は鋭く示唆に富んでいる。

アファナシエフが録音したこのシューベルトの「最後の3つのソナタ」に彼が透視したものは、シューベルトが死の間際で味わった気持ち。

それは彼自身の現在(悲痛な気持ち)をオーヴァーラップさせたのだという。

病的ともいえるイメ・クラ的な感情移入の世界に思わずゾクッ。演奏は死の淵を見せるかのようにスタティックで深遠な美しさをたたえている。

シューベルトのソナタにこんな幻影を見せるのはアファナシエフだけ。定評ある名演など物足りなく思えるほど深刻で厳しい世界を描き出している。

今までのシューベルト観など一蹴してしまう斬新な切り口である。

テンポは全体として異常に遅い。しかし、短いフレーズをロックの速弾きよろしく、ものすごいスピードで弾き切ったりもする。

そうして訪れるブルックナーもどきの長いパウゼ。

この繰り返し作業によって生まれるのは、歌の断片にまで分解されてしまった裸のシューベルトだ。

作曲家は、その晩年にベートーヴェンが成し遂げた後期のソナタ形式作品群に、少しでも近づこうとしたのだろうか?その試みは成功したのだろうか?

アファナシエフは「否」と答える。

珠玉のように光り輝いている、夢見るような歌の連なりをもって。

揺れ動くリズムは、自意識過剰の現代人のものだろうが、モダン・ピアノを弾くアーティストとしての彼のアプローチには、抗しがたい魅力がある。

これは音楽の彼岸の姿を見せつけた、凄絶なる記録だ。

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classicalmusic at 19:08コメント(0)シューベルト  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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