2010年03月28日

マゼール&ウィーン・フィルのシベリウス:交響曲全集


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1960年代(一部1950年代後半も入るが)のマゼールは、主に英デッカ、ドイツ・グラモフォンに録音を残しているが、それらはほとんど例外なくといっていいほど、どれも素晴らしい。

現在の彼が、たとえどれほど指揮のテクニックが向上し、貫録が増したとしても、真に芸術的な創作者として、彼は1960年代の彼を凌駕しきれないでいる。

そのことは、たとえば2種類ある彼のシベリウスの交響曲録音を比較してみれば、自ずと明らかといえよう。

1960年代に録音された本盤は、対象に向かって鋭く深く踏み込んでいこうとする気迫が、実に凄い。

マゼールは、シベリウスの心理的深みへと鋭く分け入った緻密で怜悧な演奏で、そこに近代人の閉塞的状況からの脱出口を見いだそうとする感動的名演。

すべてが強い上昇志向をもっていた1960年代という時代の精神と、正しく照応している。

マゼールとしては初期の演奏であるだけに、若々しい気概で率直な音楽を聴かせるのが興味深く、全曲を裸身のシベリウスというべき演奏で一貫している。

壮麗なオケの響きを絶えず押しとどめながら内面の葛藤を抉り出すマゼールの演奏の異常な緊張は、この曲から北欧の自然や、作曲された時代の背景にあるフィンランド独立運動への熱い共感を聴き取ろうとする人たちの反撥にもあった。

ウィーン・フィルの技術と合奏力に助けられた感もあるが、第1,2番の熱気あふれる表現はやはり当時の若々しいマゼールのものだ。

他の曲は精緻な演奏で作品のありのままの姿を表出しているといえるが、半面生硬に感じるところもある。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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