2010年03月29日

ペルルミュテルのショパン


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ペルルミュテル盤は、高齢になってからの録音であるだけに、テクニックの衰えが気になるが、作品を知り尽くした者だけに可能な表現の旨みが際立っている熱演である。

音楽が単に鳴り響く音響効果物ではないことを、まさに鳴り響きながら、教えてくれる演奏だ。

根底には中庸を得たフランス的知性があるが、その中庸のなかに、ペルルミュテルは実に豊かな表現と表情のグラデーションを生み出してゆく。

楽譜からは直接読み取れないものをたっぷりと聴かせてくれるショパンである。

ペルルミュテルといえばラヴェルの演奏が印象的だが、このショパンもきわめて味わい深い。

演奏の特徴を一言で述べるならば、知的雰囲気をもった演奏とでもいえるだろうか。

つまり、音の背後にこの芸術を育てた土壌の豊かさ、もしくは精神的背景が実感される演奏なのだ。

そしてこれこそ今日の演奏から次第に失われつつあるものではなかろうか。

ペルルミュテルがショパンの世界に伸び伸びと飛翔する姿は、うらやましいの一語に尽きる。

無駄がなく、落ち着きがあってしかも自然な演奏。

良き伝統、正しい訓練、恵まれた才能の3つが結びつかなければ、とうてい生み出し得ないおおらかな趣がある。

これは何事にもかえがたい貴重な財産だ。

ペルルミュテルのショパンは、悠然たる風情を通り越してじつにゆったりと弾き進まれる。

したがって華麗な演奏効果を期待する聴き手には向いていないが、ペルルミュテルはひたすら作品の本質に迫り、それに自分自身を重ね合わせ、彼以外の誰にもできない語り口でショパンを再現している。

円熟とはどういうことであるかを改めて実感させてくれる演奏で、録音当時の大家の健在を強く印象づけられる。

いわゆる面白味には乏しいが、ショパンの作品の解釈に於ける一つの重要な規範として、今後も不変の価値を保ち続けるであろうに違いない。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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