2010年01月21日
プレヴィン&ウィーン・フィルのR.シュトラウス:メタモルフォーゼン、傷病兵の仕事場から
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「メタモルフォーゼン」は、第2次世界大戦末期にシュトラウスが書いた、ドイツ(特にドレスデン)やウィーンとその文化へのレクイエムである。
ベートーヴェンの《英雄》交響曲の葬送行進曲をモチーフに使い、美しくもはかない祈りとオマージュの音楽を作り出した。
弦楽器のみによる「メタモルフォーゼン」は、プレヴィンの性格のにじみ出たやや粘りの強い表現だが、それがかえって、この悲痛な音楽の内容を色濃く表出する結果となっている。
プレヴィンはウィーン・フィルの弦楽セクションを歌わせ、やや明るめの音色で曲を進めていく。
それがまた終盤の「イン・メモリアム」部分で大きなコントラストを生み出し、静かな感動を呼び起こすのだ。
それに、中間部でのせつせつとした表現は、聴いていて思わず涙ぐんでしまうほど感動的だ。
緻密なアンサンブルから生み出される、しなやかで艶のある、しかも重厚な響きはたまらない魅力だ。
シュトラウスが書いた対位法(23声部)も素晴らしいが、このCDでは流れるような旋律に酔いしれる方が先決。
ヴィオラとチェロの音色が、全体のトーンに大きな影響を与えているのも特徴だ。
現在唯一のレコードである、管楽器のみによる「病人の仕事場から」もまた魅力的な響きを具えており、ウィーン・フィル独特の音色がよく生かされた名演。
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