2010年01月23日
ハイティンク&コンセルトヘボウのR.シュトラウス:アルプス交響曲
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この指揮者のアムステルダム時代の最上の記録。
1980年代に入ってからのハイティンクの充実ぶりがよく示されており、この曲が大地に根をおろしたような再現がなされている。
ハイティンクの解釈は、作曲者の自演あるいはベームやケンペの流れを汲む。
ハイティンクのケレン味のなさが良い方向に出た演奏で、流麗な抒情性があり、深い余韻が残る。
作曲者のゆかりの深いコンセルトヘボウの力量を存分に駆使して、重厚で艶やか、密度の高い響きで全曲を統一している。
いかにもハイティンクらしく、そして、このオケらしく、悠然と構えた演奏で、豊麗なあたたかみのある音色を生かしながら、各場面を巧みに活写している。
しかも各部の表情が端正で音楽的である。
テンポも中庸を保ち、無用に動かない。
それがこの曲の本質に迫るものであることは言うまでもない。
標題音楽的な効果をもつスコアを、各曲とも理解させながら、ハイティンクは全曲を堅固な統一で、交響曲としての様相を明らかにする。
決して大仰にならず、また色彩的にも華々しくもならず、自然な流れを尊んでいるのがよい。
低音楽器がやや重く、表現が時に鈍重で不明瞭になる気味はあるが、充実した演奏である。
ことに後半の音楽設計は見事で、第2部「頂上」の主題がトロンボーンで豪快にうたわれる場面から、有名な「太陽の動機」があらわれ、喜びのあまり「幻影」を見るシーンあたりのスケールの大きさは、凄いの一語に尽きる。
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