2010年03月07日
ドホナーニ&クリーヴランド管のドヴォルザーク:後期3大交響曲
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オーソドックスでしかも、シンフォニックなスケールと緻密さに於いて、やはりドホナーニ=クリーヴランドは凄いと思う。
クリーヴランド管弦楽団の素晴らしい響きをよくとらえた録音が鮮やかで、現代のオーケストラ演奏の最高水準を示した、究極のドヴォルザークに違いない。
ドホナーニは、セルと同じくクリーヴランド管弦楽団を指揮しても、きわめて柔らかい音色としなやかな表情を引き出している。
カラヤンらの録音に比べて、ドホナーニの録音は、より客観的に、また知的な角度からのアプローチを見せたものである。
端正なスタイルの中で繰り広げられる風通しのよい演奏だが、いささかも冷たくならず、また引き締まった表情のすがすがしさがあり、もっとも現代的なスマートな演奏といえよう。
3曲共に豊かな感興を表した清新な表現で、楽想のそれぞれの性格が端的に示されている。
これは鋭い分析と緻密な造形力があってはじめて生まれる質の音楽だが、「新世界より」はそうしたことがこのポピュラーな名曲の真価を改めて教えてくれる。
ドホナーニは、大きなスケールで、この作品のもつ魅力をあますところなく描き出している。
ことに、そのリズム処理の巧みさ、色彩感の豊かさには驚く。
第2楽章の、瑞々しい表現など出色だ。
聴き古された曲に新しい血を注入し、瑞々しく蘇らせた演奏といってもよいだろう。
第8番も明快な解釈と表現で全体はすこぶる自然に流されており、作品の民族的な性格もわきまえられている。
第7番も同じくドホナーニの知性と、抒情性豊かな感性が見事に一体となった名演だ。
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コメント一覧
1. Posted by 水口 峰之 2010年03月07日 17:08
ドボルザークの「第7」は特に、この演奏、いいですね。おっしゃるように知的でありながらも、土臭さがほどよくブレンドされていて、熱くなっても濁らない。僕にとっては理想的な響きです。
同じドホナーニとクリーブランドo.との演奏ではシューマンの「第2」がとくに優れている、と思っていますが、この「第7」の演奏とあわせて、もっと評価されるべきなのに…、と思ってしまいます。
同じドホナーニとクリーブランドo.との演奏ではシューマンの「第2」がとくに優れている、と思っていますが、この「第7」の演奏とあわせて、もっと評価されるべきなのに…、と思ってしまいます。
2. Posted by 和田 2010年03月07日 19:30
ドヴォ7は別項で述べたマゼール&ウィーン・フィルが格別の名演ですが、このドホナーニの演奏もセルの衣鉢を継ぐ名演とされてしかるべきでしょう。
残念ながらドホナーニのシューマンは聴いたことがないのですが、シューマンの第2番は、同じクリーヴランド管弦楽団を指揮したセルの海賊盤が超弩級の大演奏です。
ドホナーニはそれほど聴く指揮者ではないのですが、このドヴォルザークとウィーン・フィルを振ったメンデルスゾーンが特別な名演として記憶しています。
残念ながらドホナーニのシューマンは聴いたことがないのですが、シューマンの第2番は、同じクリーヴランド管弦楽団を指揮したセルの海賊盤が超弩級の大演奏です。
ドホナーニはそれほど聴く指揮者ではないのですが、このドヴォルザークとウィーン・フィルを振ったメンデルスゾーンが特別な名演として記憶しています。