2010年05月06日

ベルナルト・ハイティンクの芸術


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スター指揮者ではないが大指揮者、という人がいる。もちろん逆もあるわけだが、いつの時代も、認められ、高く評価されつつ、大衆的な人気はない、というタイプの音楽家にハイティンクは明らかに属している。とりわけ日本では。

専門家筋の評価は実に高い。活動の主な拠点であったオランダやイギリスはもちろん、ドイツでも、現代最高の指揮者のひとりに数えられている。

名声はかなり早い時期からだ。数少ない定期公演に招く指揮者が、それだけで世界一流の折り紙付きになるウィーン・フィルだが、ハイティンクは1970年代から長い間常連であり続けている。

まずコンサート指揮者として世に出たハイティンクは、やがてオペラの指揮も始め、こちらでも才能を発揮する。

実際現代有数のオペラ指揮者がハイティンクだ。グラインドボーン等でのオペラ指揮が注目され、全曲盤の録音を重ねた末、迎えられたのは、ロンドンのロイヤル・オペラの音楽監督だった。

どちらかといえばワーグナーなどドイツ系に強いが、実はイタリア・オペラの指揮者としても、大変優秀な指揮者だ。

それでも、歌手に人気は出ても、指揮者は、せいぜい評価される程度だった。いうまでもなく、それがハイティンクの持ち味だ。エキセントリックに人の気持ちをかきたてるかわりに、音楽の美を確かに伝える。

もしもハイティンクがもう少しあざとい演奏ができる人だったら、音楽界はかなり変わっていただろう。大人気になって、世界の楽団に君臨していたかもしれないし、嫌われてB級になっていたかもしれない。

しかし、いずれにせよ、地味ながら音楽にも作曲者にも聴く者にも誠実な、一連の演奏は失われていたことだろう。

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classicalmusic at 18:34コメント(2)ハイティンク  

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2020年01月03日 09:48
4 またお便りします。おっしゃる通り。ハイティンクはあんなにタクト裁きの上手い指揮者なのに, 小澤, メータ, アバド等の指揮者に比べて日本では人気がありませんでした。それはこの曲はハイティンク盤に限るといった録音が無かった事に因るのではないでしょうか。ハイドンからショスタコーヴィッチまで何でも器用にこなすのにと多少歯がゆく感じます。でも90歳を超えてもまだ活躍している姿は素晴らしいと思います。私のハイティンクの録音のベストスリーは協奏曲の伴奏を除けばベートーヴェン交響曲8番, ブラームス交響曲2番(旧盤), ブルックナー交響曲8番です。何れも若々しい響きに惹かれます。
2. Posted by 和田   2020年01月03日 12:12
小島さん、またのコメントありがとうございます。
ハイティンクについては当ブログでも常々書いていることですが、ベターであってもベストではない演奏という印象です。
たった今ハイティンク&コンセルトヘボウのシューマンの交響曲全集を聴きましたが、やはりその感は否めず、第1番はクレンペラー&ニュー・フィルハーモニア、第2番はシノーポリ&ウィーン・フィル、第3番はジュリーニ&ロス・フィル、第4番はフルトヴェングラー&ベルリン・フィルがベストだと改めて感じたところです。
ご存じの通り、ハイティンクは全集マニアとして知られてますが、ショスタコーヴィチの交響曲全集は恐らくベストの出来ではないでしょうか。
オペラ指揮者としても定評のある名匠で、ブリテンの『ピーター・グライムズ』は私の愛聴盤です。
ハイティンクとブロムシュテットには末永く活躍してほしいですね。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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