2010年02月02日
ハイティンクのR.シュトラウス:交響詩集
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ハイティンク盤は彼の円熟を物語る名演で、彼の生真面目な性格がよく表れた演奏となっている。
いわゆるカラヤンのような面白い演奏ではないかも知れないが、曲のプロポーションをしっかりと描き切っている点を評価したい。
「ツァラトゥストラはかく語りき」は、ハイティンクの資質がよく示された大変押し出しの立派な演奏だ。
彼は堅実な棒でオーケストラを意のままに動かしながら、難しいこの曲を明快にまとめている。
「英雄の生涯」も、スコアそのものを忠実に音にした演奏で、大変立派な響きを聴かせる。
「ドン・ファン」はロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の色彩豊かな音色を十二分に生かしながら、大きな音楽の流れを作り出しているところがよい。
「死と変容」では、ハイティンクが、オーケストラの団員と一体となって、スケールの大きな音楽を作り上げており、決して派手なところがなく、内面を深く掘り下げた表現を行っているところに強く惹かれる。
「ティル」はきわめて正攻法の表現を行いながらも、この作品のもつユーモラスな気分を巧みに表出しているあたり、ハイティンクの円熟味を感じさせる演奏だ。
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏も渋く光沢に溢れたもので、ハイティンクの解釈にふさわしい名演で応えている。
また録音もたっぷりとした響きが魅力的で、風格のあるサウンドもいかにもアダルト指向である。
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