2010年05月28日
カラヤンのブラームス:交響曲全集(第2回目)
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カラヤンのブラームス:交響曲全集は、以前紹介した最後の録音がどれも超名演なのだが、残念ながら録音に満足のできない部分(ヌケが悪くビリつき気味になる)があるので、ここでは1977、78年盤を採った。
カラヤンは生涯に3回ブラームス全集を録音したが、この第2回目の録音は、第1回録音の端的・端正な演奏と比較すると、豪放で自己主張が強い。
それだけにカラヤンの流儀が随所に示されており、ベルリン・フィルを完全に掌握した自在な演奏である。
おそらくカラヤンの名声が最も輝いた時代の録音だが、そのために自我が強く表現され、全体にブラームスの孤高の心情よりもカラヤンの巨匠性を印象づける演奏となっている。
4曲とも端正で人為的な粉飾がなく、何よりも緊張度の高さと流動する歌謡性が見事なバランスで共存しているのが好ましい。
それがまた、ブラームスの本質を衝いたとも感じられる。
なかでも第2番の輝きと抒情の魅力は、カラヤン最良のときを示している。
第3番はフィナーレ楽章の終わりで弦が奏する音型の中に第1楽章の冒頭主題が隠されているのを自然に強調して見せるなどスコアの読みの深さにはさすがのものがある。
ただ、郷愁を感じさせるような彫りの深い表現が不足しているのが残念だ。
第4番の演奏は、世紀末的な頽廃美さえ感じさせるほどの耽美表現を見せる一方で、厚い弦の響きを軸にした力強い表現も合わせ持っている。
特にフィナーレ楽章での、いきなりパッサカリア主題を激しい力の噴出で開始させ最後まで一気に押し通す集中力は圧巻だ。
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