2010年05月29日

ドラティ&フィルハーモニア・フンガリカのハイドン:交響曲全集


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ハイドンの交響曲全集はこれが初めてで、ドラティの代表的業績に数えられる素晴らしい名演だ。

1969年から72年の短期間にこの偉業を達成したのは驚くべきことである。

古楽演奏のスペシャリストたちが次々とハイドンの交響曲を録音しているが、レコード史上初の画期的な大企画として、またドラティ畢生の仕事として、この全集は忘れることはできないだろう。

ピリオド・アプローチが幅を利かせつつある今日のハイドンの演奏様式と比べると隔世の感があるのは否めないものの、交響曲の分野におけるハイドンの作風の変遷を的確に描き分けたドラティの手腕は高く評価すべきであり、実際の音でハイドンの交響曲の世界を概観できるようになった意義はきわめて大きかった。

ほとんど顧みられないオペラにも取り組むなど、ハイドンに傾倒していたドラティの演奏は、作品への愛着と自信を示すとともに客観性を失うことなく、ひき締まった表現の中にハイドンならではの機知とユーモア、また大らかな楽しみを格調高く表現している。

これほどムラなく、優れた客観性をもって演奏された全集は、今後も長く望めないだろう。

個々の曲にはよりすぐれた個性的な演奏もあるが、ムラのない演奏はいかにも全集にふさわしいし、R・ランドンの校訂譜による演奏である点も信頼される。

無用な誇張や思い入れを厳しく排し、ハイドンの古典的な楽想を明快に表現しきった老匠ならではの偉業といえるだろう。

フィルハーモニア・フンガリカはハンガリーからの亡命者によってドイツのマールで結成されたユニークな団体。

この大部のアルバムは2001年に解散を余儀なくされたこのオーケストラの最大、かつ最良の遺産である。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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