2010年05月14日
アンセルメ/ロシア音楽コンサート
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アンセルメの得意としていたロシアものを集成したアルバムで、新しく再発された盤もあるが、収録曲はこの旧盤の方が充実している。
フランス音楽とロシア音楽を得意としていたアンセルメだが、その表現のコンセプトは都会的な洗練味にあり、彼は近代西欧的な視点でこれらの作品の魅力を明らかにしている。
それだけに表現は明晰かつ繊細に洗練されており、また色彩の変化が多様で、絢爛とした豪華さが味わえる。
どの曲もアンセルメが得意としているものだけあって、それぞれ見事な演奏で、彼の実力が遺憾なく発揮されている。
ことに《だったん人の踊りと合唱》は凄く、その圧倒的な迫力には息をのむ。
《はげ山の一夜》などは、リムスキー=コルサコフの華麗なオーケストレーションと、オリジナルの持つ怪異な雰囲気をミックスさせて、何ともコクの深い表現を聴かせている。
録音こそやや古びたとはいえ、その語り口の巧さと勘所を押さえた演奏は、やはりヴェテランならではの貫録といえるだろう。
また《3つのオレンジへの恋~行進曲とスケルツォ》とか《ルスランとリュドミラ》など、いわゆる小品も颯爽として洒落た表現になっているのも、昔懐かしいアンセルメ節で、そこはかとない郷愁のようなものを感じてしまう。
ただ洗練された表現が、曲の原初的な力を淡白なものにしているのも事実で、このあたりは好みの分かれるところだろう。
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