2010年08月23日

バレンボイム&シカゴ響のブラームス:交響曲全集/管弦楽曲集


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バレンボイムが満を持して発表したブラームス全集。

ライヴで本領を発揮するバレンボイムらしく全体は熱気に満ちあふれ、骨太でうねるような音楽は彼が心から敬愛するフルトヴェングラーを思わせる。

しかし、それは決して表面的な模倣ではなく、バレンボイム自らの音楽語法に翻案し、現代的な意味付けがなされたものであるのは言うまでもない。

作品に真正面から立ち向かい、落ち着いたテンポでブラームスの音楽がもつさまざまな要素を余すところなく表現している。

第1番はバレンボイムのフルトヴェングラーへの傾倒ぶりが最も顕著にうかがえる演奏である。

フルトヴェングラーほど濃密ではないが、やや遅めのテンポで古典的な様式とロマン的な情感がバランスよく表現されているのが新鮮であり完成度も高い。

第2番でもバレンボイムの安定感のあるテンポと響きのバランスが素晴らしく、音楽の流れにまったく停滞感がない。

アンサンブルも精緻であり、とくに木管を埋没させないふくよかな響きの美しさは格別で、ロマン的な情感をみずみずしく表出している。

第3番でもバレンボイムは往年のフルトヴェングラーを思わせる遅めのテンポでルバートを巧みに用い、のびやかに旋律をうたわせている。

ふくよかな響きと引き締まった表現も素晴らしく、劇的な性格とロマン的な情感の対比なども明確で味わい豊かである。

第4番でバレンボイムはかなりアッチェレランドを多用しているが、フルトヴェングラーほどロマン的な情念は濃くなく端正に仕上げている。

緻密にコントロールされた美しい響きと流麗な表現が素晴らしく、後半の情熱的な高揚感とスケールの大きな表現も見事である。

また、ここで聴くシカゴ響の素晴らしさも特筆すべきもので、ショルティ時代の高い機能性を受け継いだバレンボイムは、それに響きの多彩さと柔軟性を加えることに成功している。

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classicalmusic at 18:57コメント(2)ブラームス | バレンボイム 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2020年04月20日 10:28
4 このブラームスの交響曲全集は指揮者としてのバレンボイムの面目躍如たる秀演で,ベートーヴェンやブルックナーの全集とは異なり素晴らしいアルバムですね。特に第3番のゆったりとした構築力は文句なしです。同じシカゴ響とのドイツレクイエムの新盤はそれにも勝る名演でした。バレンボイムの場合,管弦楽曲がさらに出来が良く,ワーグナーとR.シュトラウスはブラームス以上の出来栄えだと思います。
2. Posted by 和田   2020年04月20日 12:42
ここでのバレンボイムの熱気にあふれた構えの大きな演奏は、ゆたかなロマンと劇性をたたえていますが、その歩みはあくまでしなやかで、精妙なニュアンスと美しい歌にもまったく不足がありません。フルトヴェングラーを敬愛するバレンボイムらしくドイツ的な伝統をしっかりと踏まえるとともに、そこに彼の個性と現代的な感覚が巧みに、しかも作為なく融合されています。シカゴ響の卓抜な表現力と磨き抜かれた響きも見事で、20世紀の最後を飾るにふさわしい充実したブラームス演奏といってよいでしょう。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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