2010年04月05日
アルゲリッチ&シノーポリのベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番&第2番
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アルゲリッチとシノーポリの初顔合わせで唯一の共演盤である。
異色の顔合わせが興味深い。
思いもかけない顔ぶれで録音されたベートーヴェンのピアノ協奏曲で、期待を裏切らない素晴らしい出来映えだ。
第1番はアルゲリッチ初録音だが、歴代名盤と並び、ベスト・ワンを争うものと言える。
常にひらめきに満ちあふれたピアノに一癖も二癖もあるオーケストラががっぷりと組みつき、互いに挑発をしかけながらスリリングに演奏を進行する。
しかも、ぎりぎりのところでベートーヴェンの様式は守られているのだ。
第2番は前回録音より一層素晴らしい。
第1番と同様に、個性豊かな演奏家のぶつかりあいが大きな成果をあげている。
彼女は1980年に自身指揮も兼ねて第2番を録音していたが、やはりソロに専念したこの演奏の方が表現がこまやかに徹底されているし、より生き生きと緩急自在な魅力がある。
両者の対話はまるでジャズのセッションを聴く趣きすらある。
好みは分かれるかもしれないが、ベートーヴェンの精神を生き生きと現代に蘇らせた演奏として高く評価したい。
特に初録音であった第1番では、個性的な2人が四つに組んで、それぞれ存分の演奏を繰り広げており、アルゲリッチならではの閃きにとんだ表現がまことに印象鮮やかで、ニュアンス豊かである。
シノーポリもピアニストに一歩も譲っていない。彼は旋律の歌わせ方を身につけ、特にフィルハーモニア管からこれ程美しい弦の音色を引き出したことは驚きだ。
なお、アルゲリッチはこの後、アバド&マーラー室内管弦楽団と2000年に2番、04年に第3番を録音している。
第2番は3度目の録音だが、第3番は初録音であり、みずみずしい感興にとんだ自在な演奏は、ぜひ一聴をお勧めしたい。
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