2010年04月06日
ショルティのチャイコフスキー:後期3大交響曲集
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第4番は空前の名技集団シカゴ響が、ショルティの完璧なドライヴで胸のすくような快演を聴かせる。
しかもその表現は決して外面的な技術巧緻性だけにとどまらず、内面的な作曲者の心情への共感をも十全に伝えている。
一分の隙もないアンサンブルなど、ショルティの設計は隅々に至るまで行き渡っており、全4楽章がきわめて平衡感の強い造形と響きでまとめられている点も見事。
円熟した巨匠の芸を感じさせる。
「くるみ割り人形」もふくよかで繊細な表現で、その1曲1曲が魅力的である。
第5番はあらゆる点で均衡のとれた、模範的といってよい演奏だ。
管・弦のバランスやアンサンブルはまず申し分なく、ショルティの解釈も適度に客観的で、実に平衡感の強い造形である。
万人向きという点ではこれに勝る演奏はないだろう。
「白鳥の湖」は完全なコンサート様式の演奏で、オーケストラの演奏技術の見事さが随所で感じられる。
「悲愴」は寸分の隙もない純音楽的な表現だが、音と音楽は隅々までふくよかに磨かれ存分に歌い、音楽は常に流麗そのものである。
しかもショルティは全4楽章を通じて瑞々しい感受性でひたすら作品の内奥に迫っており、表面的になることがない。
したがって終楽章も強い共感が示されており、同時に作品の立体的な音構造を解明している。
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