2010年05月17日
マゼールのプロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」
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今でこそこの曲の全曲盤は、複数のCDがカタログに載っているが、1970年代の初頭という時代には、このマゼール盤が唯一だったのだ。
そして現在でも全曲としては、最もスタンダードな存在といえる。
劇的な演出と演奏力の充実で、彼の最も良い面を聴き取ることが出来る。
そしてこれはマゼールが、クリーヴランド管弦楽団の音楽監督になって、最初に録音されたナンバーにもかかわらず、彼は既にこのオケを完全に掌握し、意のままに導きながら、彼独自の音を創り上げている。
やや都会的に整いすぎていて、肌ざわりの冷たい演奏となっているが、オーケストラの技術的なうまさと、その華麗な色どりは抜群である。
そのリズムの扱い方、語り口の巧さはマゼールならではのものだ。
この時代の彼の芸風をストレートに伝えた、ディピカルな演奏に数えられていい。
その魅力はスリムに引き締まった表情、柔軟で鋭いリズム、それにクールなリリシズムに尽きるだろう。
有名なバルコニーの情景や、愛の踊りの場面などの、ロマンティックなムードにあふれた描写は秀逸で、マゼールの巧妙な棒さばきに、心を奪われてしまう。
これはマゼール会心の演奏といってよい。
同じ時期に録音したガーシュウィンの《ポーギーとベス》とともに、代表的傑作といえる。
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