2010年05月26日

クーベリック&バイエルン放送響のシューマン:交響曲全集


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クーベリックの音楽的成熟度を感じさせる演奏である。

緻密な音楽設計が行われているにもかかわらず、クーベリックの音楽的な個性があまり強く出ず、全体にリズムは軽く、その表情は爽やかだ。

クーベリックの棒がバイエルン放送響から引き出した落ち着いた色調と柔らかい音は、個性の強いシューマンの交響曲にふさわしいものといえる。

クーベリックの柔軟な音楽性とオケの明るい響きが、重苦しくなりやすいシューマンの交響曲を晴朗で耳に快いものとしている。

格調高くロマン性に満ちたシューマン演奏の筆頭といっても過言ではないだろう。

曲のおもむくまま、筆の勢いに任せて一気呵成に書き上げていったような演奏である。

この演奏には、オーケストラの質感といい、歌いまわしの柔軟さといい、シューマンのイマジネーションと感性をそのまま換言している手応えがある。

ヨッフムの後任として就任(1961年)以来、同オケを一流にまで押し上げたクーベリックのいわば総決算的なアルバムとしての位置付けが可能だ。

シューマンのオーケストレーションの効果については議論もあるが、理屈云々よりもまずこの演奏を聴け、といえるだけの曲本来の持ち味と魅力が存分に伝わってくるのが何よりの醍醐味。

バイエルン放送響の、きわめてドイツ的な、いぶし銀のような響きが前面にあらわれた演奏で、表現は全体にすっきりと明るく爽快である。

「春」は抑制のきいた表現で、声部間のバランスなど絶妙な手腕をみせ、この曲の演奏では群を抜いて緻密なものだ。

第2番はクーベリックの緻密な解釈と流動感豊かな表現が評価される。

「ライン」はテンポの工夫で形式観をしっくりさせるなど、概してすっきりと明るくまとめられ、曲の性格をはっきり打ち出している。

クーベリックは、昔からこの作品を得意にしていたが、ここでも、そうした自信が音楽の隅々にまであらわれていて、素敵だ。

緻密な音楽設計がおこなわれているにもかかわらず、自己の主張をおさえ、楽譜を忠実に再現しているところがこの演奏の魅力で、そこには、クーベリックの音楽的な成熟が感じられる。

第4番も作品の独自の様式を見事に把握して、ロマン的な情緒を濃厚に示した優れた演奏である。

小細工を弄することなく、実に素直に取り組んだ演奏で、このオーケストラ独特のどっしりとした力強い響きを生かしながら、明朗なシューマンをつくりあげている。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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