2010年04月19日
パールマン&プレヴィンのシベリウス&コルンゴルド:ヴァイオリン協奏曲/シンディング:ヴァイオリンと管弦楽のための組曲
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パールマンというヴァイオリニストは、いつも高度なテクニックを万全に発揮させ、明るい音色を駆使しながら、活気あふれる雄弁さで底抜けに楽天的な音楽を、高い完成度でつくり上げていく。
それはここに聴くシベリウスの協奏曲(併録されているコルンゴルド、シンディングともども)においてもかわりはない。
きわめて明るく開放的な音色をもつパールマンだけに、重く暗い北欧的な情緒にはやや乏しいが、内に秘められた情熱を、メリハリをつけながら、巧みな設計で表出しているところにひかれる。
複雑に屈折したり、暗く悲観的になったりはしないで、どこまでも明るく、のびやかに発想された演奏となっている。
ごく通念的な見かたでは、シベリウスの協奏曲は北欧ふうの澄みきった情感とほの暗いトーンが入り混じっていると解されることが多い。
その点ではこのパールマンの演奏はユニークだ。
ユニークで、完成度の高い演奏である。
シベリウスはパールマンが真正面からケレン味なく切り込んだ演奏で、凛然たる音色が美しく、緊張感に満ちている。
北欧の楚々としたいじらしい香りには乏しいが、高度な実力に支えられた開放感と雄弁な迫力がすさまじい。
フィナーレなど後期ロマン派の作品を聴くような趣だ。
シンディングも鮮やかな技巧によって、ものおじせずに楽器を鳴らしきった名演だ。
プレヴィンのバックも立派。
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コメント一覧
1. Posted by yoshimi 2010年04月20日 02:18
パールマンのシベリウスは伸びやかで明るめのトーンがとても良いですね。
いつもよりは、楽天的に歌うところを多少抑え気味にしている気がしますが、北欧の厳しい寒さを感じさせないところが面白いです。
芯の太い伸びやかな音で雄大に聴こえますし、いつも聴いている線が細くて張り詰めた雰囲気のカヴァコスとは違っていて、青い空に明るい太陽が輝く夏の北欧風といったところでしょうか。
カップリングの初めて聴いたシンディングの組曲は、ロマン派風の美しさと技巧的なところが、パールマンにぴったりの曲ですね。
いつもよりは、楽天的に歌うところを多少抑え気味にしている気がしますが、北欧の厳しい寒さを感じさせないところが面白いです。
芯の太い伸びやかな音で雄大に聴こえますし、いつも聴いている線が細くて張り詰めた雰囲気のカヴァコスとは違っていて、青い空に明るい太陽が輝く夏の北欧風といったところでしょうか。
カップリングの初めて聴いたシンディングの組曲は、ロマン派風の美しさと技巧的なところが、パールマンにぴったりの曲ですね。
2. Posted by 和田 2010年04月20日 04:25
yoshimiさん、お久しぶりです。久々のコメントありがとうございます。
シベリウスでのパールマンは伸びやかで屈託なく、技巧と音楽性の点でまず申し分のない演奏を披露しています。
一時期、パールマンにはまっていて、彼の録音を片っ端から集めていたのですが、シベリウスはあまり期待していなかったのです。
ところがいざ実際聴いてみると、パールマンの数多い録音の中でも屈指の名演だと感じるようになりました。
仰せのように「青い空に明るい太陽が輝く夏の北欧風」といった感じの表現がぴったりの演奏ですね。
シベリウスでのパールマンは伸びやかで屈託なく、技巧と音楽性の点でまず申し分のない演奏を披露しています。
一時期、パールマンにはまっていて、彼の録音を片っ端から集めていたのですが、シベリウスはあまり期待していなかったのです。
ところがいざ実際聴いてみると、パールマンの数多い録音の中でも屈指の名演だと感じるようになりました。
仰せのように「青い空に明るい太陽が輝く夏の北欧風」といった感じの表現がぴったりの演奏ですね。