2010年05月10日

ベロフのドビュッシー:前奏曲集第1巻&第2巻(旧盤)


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ベロフのデビュー直後の録音で、彼の存在を強烈にアピールした名アルバムだ。

メシアンによってその才能を発掘され、メシアン・コンクールに優勝したことからも分かるように、ベロフのピアニズムはまさにドビュッシー=メシアンの伝統につながる。

ベロフの名は、メシアンの《幼児イエズスに注ぐ20のまなざし》の実演と録音により、広く知られるようになった。

以後、フランス音楽を主たるレパートリーとする新鋭として活動。右手の故障のため活動を中断したが、1990年代に復活した。

この前奏曲集は、20歳のときの録音。早熟ぶりは並ではなかった。

ここで聴けるのは、清新の気をみなぎらせ、清涼感を漂わせているが、聴き手を決して冷たく突き放さないベロフ特有の世界。

鋭敏な感覚が生み出す鋭利な響きと多彩な音色が、その世界を支えている。

ここでは彼の才能が、ドビュッシーが求めた音楽表現における新しいもの、一瞬一瞬の響きの意味を十全に明らかにしている。

これはラテン的な感性が響きと化した演奏といってもいい。

まだ充分に若かったベロフがつくりあげているのは、シャープで、冴え渡ったような感性によって鮮やかに掬いあげられたドビュッシーだ。

どこまでも透明感のある音色と、研ぎ澄まされたようなリズムとが、今なお新しい時代に生きるドビュッシーを告げている。

〈前奏曲〉の絵画的な側面を見事に描いているという点でもベロフの右に出るものはない。

その演奏にあふれている衝撃的で鮮烈な個性は、40年経った現在聴いても、少しも薄れていない。

ベロフは造形感覚にすぐれ、さわやかな美しさに満ちており、それぞれの曲の持ち味を最大限に引き出している。

彼は本当にすごいピアニストだったのだ。これだけの演奏をつくりえたベロフからみると、現在の彼の創造的活動は、いくつかの紆余曲折があったにせよ、やはりさみしい(今後の活躍に期待したい)。

ちなみにベロフは、これより四半世紀後、再び全曲を録音している。どちらを採るか意見は分かれようが、私見ではこの初録音の方がよい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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