2010年05月22日
カラヤンのサン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」
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意外にも、カラヤンはフランス音楽を得意とし、名演も数多く残しているが、カラヤンのサン=サーンスはこの1タイトルのみというから、貴重な遺産だ。
デジタル録音が一般化してきた1981年の収録。
おそらく高音質がもっとも効果を発揮する作品として選ばれたのであろう。
演奏は、まさにカラヤン的といえるもので、幾何模様のようにさっぱりと整理されたサン=サーンスの楽譜が、驚くばかりに重くたてこんだ響きをたててうなる。
当時のベルリン・フィルの雄弁な表現力が随所で生かされ、カラヤンの語り上手な音楽作りが大きな効果を発揮。
磨きに磨いたオケの輝きや、大きな息遣いで広がる長大なフレーズの処理などカラヤンならではの世界。
フランスのオーケストラの輝かしい響きとは一線を画するものの、しっとりとした色合いによるサン=サーンスもきわめて魅力的だ。
また、作品が持つ明晰な構成も的確に描き出されている。
カラヤンの指揮で特筆されるのは、作品の理解力の奥深さと重厚に歌われる演奏のスケール感の素晴らしさであり、ここに聴く演奏も、あくまでも交響曲としての魅力を追求した姿勢が一貫している。
フランス最高の交響曲をピラミッド型に構築した立派な演奏であり、威容を誇っている。
オルガンは別録りで、ピエール・コシュローがパリのノートルダム寺院の楽器を弾いたものが合成されている。
当時の最先端の録音技術が駆使された1枚。
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