2010年05月20日

アバド/ウゴルスキのムソルグスキー:展覧会の絵(管弦楽版/ピアノ版)


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アバドの《展覧会の絵》は、1981年にロンドン響を振ってDGに録音していたが、これは1993年のベルリン・フィルとの再録音であり、ライヴ録音になっている。

この《展覧会の絵》は録音も含めると同曲CDのベストではあるまいか。

確かに〈小人〉など、もうひとつ悪魔的な要素もほしい気がするが、他の9曲はいずれも描写が雄弁であり、ラヴェルのオーケストレーションの魅惑も十全に生かされている。

たとえば〈テュイルリーの庭園にて〉における緩急自在にテンポを動かした語り口のうまさ、〈ババ・ヤーガ〉の生々しい迫力とスケールの大きさなどはベストといえよう。

さらに〈ポーランドの牛車〉の心のこもったカンタービレと低弦の意味深さ、〈サムエル・ゴールデンベルク〉における2人のユダヤ人の描き分けなども素晴らしい。

旧ソ連出身のウゴルスキは、事情があって西側でのデビューが遅れた。だから新進ピアニストと思いがち。

だが、実際にはポリーニと同年(9か月の年少)で、2010年秋には68歳になる。

腕達者なウゴルスキは、スケールの大きな演奏をやってのける。

しかし彼は技巧を売り物にするピアニストではない。

自身の個性的な感受性と作品解釈をよりどころに、あくまでも既存の演奏にチャレンジする姿勢を崩さず、あまたのピアニストたちとは一線を画し続けてきた。

今後もこれは不変と思われる。

通常より遅めのテンポで弾かれた《展覧会の絵》では、おおらかでゆったりした彼特有の音楽づくりを楽しむことができる。

異色の奇才が出現したものである。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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