2010年06月16日

アッカルドのパガニーニ:24のカプリース(新盤)


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パガニーニは自作曲の楽譜を決して人に見せようとはしなかった。その超絶的な奏法の秘密を知られるのを極度に恐れていたからである。

そんな彼の生存中に出版された唯一の独奏曲が、24の小品からなるこのカプリース。

フラジオレットを除くヴァイオリンのあらゆるテクニックが盛り込まれ、高度な練習曲としても重要だが、芸術作品としての価値もきわめて高い。

1958年に弱冠17歳でパガニーニ・コンクールに優勝して、"パガニーニの再来"といわれたアッカルドは、1962年にもこの曲集を録音しており、それも正確な技を存分に駆使した若々しい覇気にとんだ快演であったが、15年後のこの演奏は、熟達した芸がいかにも風格ゆたかに発揮されている。

切れ味の良い技巧と明るく冴えた音も大きな魅力で、難技巧も決して技に角立てることなく、シューマンが「おびただしいダイヤモンドを含んでいる」と評した24曲の多彩な世界を、しなやかな確信にとんだ表現によってスケールゆたかに再現している。

技巧の派手さはさほど前面に出さない(むしろ甘いと見られるかも知れない)が、たっぷりと的確で、音色が美しく、そのバランスがとてもいい、暖かい演奏だ。

技巧的にも表現においても、この曲集の最も洗練された演奏のひとつだろう。

このパガニーニの作品が要求している技術上の難しさ、そして、その上に成り立っている弦楽器固有の美しさ、各表情の多彩さというところで、アッカルドの身のこなしかたは実に音楽性ゆたかと言えるだろう。

単に技術面だけで言うなら、アッカルドに匹敵しうる奏者は他にも数多く散見されるけれど、トータルな意味で彼に肩をならべてくる者は多くない。

ヴァイオリン奏者としての彼のよさがスムーズに示された演奏内容である。

またこの作品では、超絶技巧の開陳とともに、美しいイタリア的なカンティレーナの魅力もが大きな聴きどころになっている。

そして、そうした魅力を最も本来的に捉え、それを魅惑的に表現した演奏としては、アッカルドのこの新盤が特に注目される内容を示している。

そうしたところに、パガニーニのスペシャリスト、アッカルドの面目躍如たるものがある。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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